日経が安倍に「ダメ出し」 「判断力に疑問符」

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「経済政策が出てこないという財界の不満が背景」

   日経新聞が安倍首相を厳しく論じるに当たって「肌で」感じている「世論」はどのようなものなのか。日経OBで財界の取材経験が長いジャーナリストは「小泉政権に比べ、経済政策が出てこないという財界の不満が背景にある」と解説する。安倍首相の力点は教育問題や憲法改正問題といった「政治」ばかりだ、といういら立ちがあるという訳だ。このジャーナリストによると、問題が起きた際の対処のスピード感がないという不満も財界に広がっている。07年5月末の松岡利勝前農水相の自殺に見られるように、問題を抱える閣僚をかばって事態を長期化、悪化させた点などが背景にあると見られる。2002年当時に田中真紀子外相を更迭した小泉純一郎首相のような「果断」な面が感じられないという批判だ。

   しかし、財界の船頭役ともいえる日本経団連会長の御手洗冨士夫・キヤノン会長は「安倍首相と近い」とされている。この点については「歴代の会長と首相の関係もある程度はそういうものだ、という仕方ない面もある」とした上で、それでも奥田碩・前日本経団連会長と比べスケールが小さい、懐の深さが違うという声も出ている、と明かした。御手洗会長と財界の間にも微妙な温度の違いが出ているということだろうか。

   また、別のベテランジャーナリストの1人は、小泉政権時代との違いをこう解説する。小泉首相時代のときは、「靖国問題」など中国外交を除くと「満点に近い」という評価が出るほど財界には受けがよかった。しかし、安倍首相の評価は日増しに厳しさを増している。例えば、07年4月の中東ミッション。安倍首相は御手洗会長に頼み込み、過去最大級ともいわれる200人近い財界人を「動員」させた。しかし、図体の割には、ほとんど成果はなかった。その上、

「首脳との会談に出席できるのは数人。ほかのメンバーは、ホテルでただすごすしかなく、仕事もないのに一体なんだ、という不満が出たと聞いています」

   こうした点について、日本経済新聞にJ-CASTニュースが質問すると、日本経済新聞社論説委員会は「社説については論説委員会で議論を重ね、我々の主張を過不足なく書いたものなので、それで判断していただきたいと思います」と文書で回答した。

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