ネット世論にも見放された 自民は参院選惨敗?

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   参院選を目前に控え、「自民惨敗説」を唱えるメディアが相次いでいる。そうは言っても、05年の「郵政解散選挙」の時には散々「自民党惨敗」がささやかれていたのに、フタを明けてみれば「小泉圧勝」だった。ただ、ネットでは小泉支持が圧倒的だった。今回は、どうなるのか。

「5勝24敗!」1人区惨敗?

参院選はどうなるのか
参院選はどうなるのか

   2007年7月12日公示、同29日投開票予定の参院選が目前に迫るなか、週刊新潮の07年7月5日号は「『5勝24敗!』1人区惨敗『自民党調査』の衝撃」という記事を掲載した。6月中旬に行われた世論調査の結果が自民党にもたらされ、

「全国29ある参院選1人区で1割7部2厘という惨憺たる勝率。思わず天を仰ぐ5勝24敗という衝撃の数字」

   だったのだという。週刊文春も7月5日号で「安倍がこければ森が笑う?惨敗をにらみ隠密行動開始」という記事を掲載。与党の議席が過半数割れした際には国民新党などと連立を組まざるを得なくなり、そこで森氏の出番がやってくるのではないか、という観測記事で、「敗北後」のシナリオをシミュレーションしている。
   毎日のように政権批判を行っている「日刊ゲンダイ」も7月2日、1面に「これで自民党参院選惨敗は確定した」という見出しを立て、「惨敗ムード」をあおり立てている。

   だが、小泉人気に支えられて自民党が圧勝した05年の「郵政解散選挙」でも、メディアは「自民惨敗説」を盛んに唱えていた。
   例えば、週刊ポストの05年8月12日号では

「自民党160議席割れで 民主党・岡田政権誕生だ」

という刺激的なタイトルの記事が掲載され、福岡政行・白鷗大学教授は、自らの分析結果として「民主大勝」と断定。両党の戦略の違いを、要約すると以下のように述べている。

「『郵政解散』では有権者の目を引かないため、に靖国神社を8月15日に参拝して『靖国解散』にすり替える。このように自民党は『愛国心』に訴えるが、民主党側は『サラリーマン増税』に争点を絞るだろう」

   つまり、民主党が争点にする「増税」の方が有権者受けが良いのでは、という見立てだ。

   週刊文春の9月1日号では、

「自公も民主も過半数届かず 小泉・岡田ダブル辞任!」

という記事を掲載、脇見出しには

「哀れ…小池・藤野ら『くノ一』候補は全員玉砕」
「野田聖子・山拓も当選せず?」

と言った刺激的な文言が並んでいる。

今回は「ネット世論」も「反自民」

   ところが、いざ選挙が終わってみると、改選議席480のうち与党が327議席(自民党が296議席・公明党が31議席)を獲得。自民党の議席占有率は戦後2番目に高い61.7%で、疑いようのない「圧勝」となった。一方の野党は、民主党が選挙前の177議席から113議席まで大幅に議席を減らす惨敗を喫した。

   このように各メディアの予想は「大ハズレ」だったが、「ネット世論」は、この結果を予言していた。ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントが05年8月16日~19日にネット上で行ったアンケート(有効回答者数:48,026名)によると、49.4%が「郵政解散」を支持しており、57.9%が「郵政民営化」を支持。さらに、67.3%が「郵政民営化が争点となると思う」と答えた。ネット世論は、「民主支持」でも「造反組支持」でもなく、明らかに「小泉支持」だったのだ。

   ジャーナリストの佐々木俊尚さんも、「goo」が開設した選挙用のポータルサイトに寄稿した記事で「小泉支持のネット世論と、リアルな世論がほぼ合致した」と分析している。

   では、今回の参院選はどうなのか。

   選挙情報のポータルサイト「ELECTION(エレクション)」が07年6月30日に発表した「第51回オンライン世論調査(回答数:1,813、調査期間6月21日~28日)」の結果によると、「今参議院選挙が行われるとすると、あなたはどこに投票しますか?」という問いに対して、「民主党」と答えたのは60.3%なのに対して、「自民党」と答えたのは「11.4%」。

   また、ヤフーが運営している選挙情報サイト「Yahoo!みんなの政治」では、議員ごとにユーザーが評価を付けることが出来るようになっているが、安倍首相は5点満点中2点。コメント欄には「この人にはムリ」「おぼっちゃま」といった辛辣な評価が目立つ。一方の小沢代表は3.5点で、「過去のイメージをいかに払拭するか」「決意固めた戦略家」といった声が多く、安倍首相に比べると「逆風」は弱めだ。

   今回も「ネット世論」が「リアル世論」にダイレクトに反映するのだとすれば、自民党は「惨敗」ということになる。そうは言っても、選挙は水物なので、結果は実際に開票してみないと分からない。

姉妹サイト