今回は「ネット世論」も「反自民」
ところが、いざ選挙が終わってみると、改選議席480のうち与党が327議席(自民党が296議席・公明党が31議席)を獲得。自民党の議席占有率は戦後2番目に高い61.7%で、疑いようのない「圧勝」となった。一方の野党は、民主党が選挙前の177議席から113議席まで大幅に議席を減らす惨敗を喫した。
このように各メディアの予想は「大ハズレ」だったが、「ネット世論」は、この結果を予言していた。ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントが05年8月16日~19日にネット上で行ったアンケート(有効回答者数:48,026名)によると、49.4%が「郵政解散」を支持しており、57.9%が「郵政民営化」を支持。さらに、67.3%が「郵政民営化が争点となると思う」と答えた。ネット世論は、「民主支持」でも「造反組支持」でもなく、明らかに「小泉支持」だったのだ。
ジャーナリストの佐々木俊尚さんも、「goo」が開設した選挙用のポータルサイトに寄稿した記事で「小泉支持のネット世論と、リアルな世論がほぼ合致した」と分析している。
では、今回の参院選はどうなのか。
選挙情報のポータルサイト「ELECTION(エレクション)」が07年6月30日に発表した「第51回オンライン世論調査(回答数:1,813、調査期間6月21日~28日)」の結果によると、「今参議院選挙が行われるとすると、あなたはどこに投票しますか?」という問いに対して、「民主党」と答えたのは60.3%なのに対して、「自民党」と答えたのは「11.4%」。
また、ヤフーが運営している選挙情報サイト「Yahoo!みんなの政治」では、議員ごとにユーザーが評価を付けることが出来るようになっているが、安倍首相は5点満点中2点。コメント欄には「この人にはムリ」「おぼっちゃま」といった辛辣な評価が目立つ。一方の小沢代表は3.5点で、「過去のイメージをいかに払拭するか」「決意固めた戦略家」といった声が多く、安倍首相に比べると「逆風」は弱めだ。
今回も「ネット世論」が「リアル世論」にダイレクトに反映するのだとすれば、自民党は「惨敗」ということになる。そうは言っても、選挙は水物なので、結果は実際に開票してみないと分からない。