業界、業種別に細かく設定、「必ず出会える仕組み」
大手ISPのニフティが07年5月31日に始めたビジネスSNS「ビジネススペースβ(ベータ)版」も、本人確認の厳格化で「安心感」を提供したい考えだ。同社のインターネット接続サービスユーザー以外は、必ずクレジットカードの登録をする仕組みだ。さらに、業界・業種別に細かく「ビジネスコミュニティ」を設定、「必ず出会える仕組み」だとアピールしている。また、同社が提供する「公式コミュニティ」では、NHKの情報番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」や日経BP社とタイアップし、ビジネスパーソンに有用な情報を提供していきたい考え。同社の広報・IR室によると、現段階での登録者数は非公表だが、「右肩上がりの順調なスタート」だと話している。
その一方で、04年3月に日本で初めてビジネスパーソン向けに開設されたSNS「トトモト」は、06年4月に閉鎖され、ユーザーは別のSNSに移行している。
日本ナレッジマネジメント学会専務理事の山崎秀夫さんは、ニュースサイト「FPN」で、ターゲットとしていた一流企業、それも大手金融機関の社員の関心を得られなかったことが「敗因」だという見方を示し、このように解説している。
「確かにmixiやGREEを見ても明らかなように一部の勇気ある変わり者の方々(失礼 汗)を除いて、例えば大手有名通信企業や一流金融機関、官庁など有名企業の方々は、そっと参加して投稿を読んではいるようですが、表だって本名と写真、会社名を晒すような自己開示をして参加している方々はほんの少数派です」
これを踏まえると、これまで紹介してきた「ビジネスSNS」は、「普通の一流企業社員」のユーザー間での信頼感を醸成する仕組みが機能するかが鍵になりそうだ。