累積赤字が神戸市310億円、大阪市500億円超
この格差が生まれる原因は何なのだろうか。業界団体の日本バス協会に聞いてみると、
「公務員と民間の差、これに尽きます。民間は、地方では業績が悪く、ギリギリまで人件費のカットを迫られています。賃上げなんて、やりようがない。一方で、公営バスは役所なので、賃金体系はあらかじめ決まっていて、なかなか下がらない。バスに限らず、一般的にそうなんじゃないですか?」
と、半ば「当たり前」といった答えが返ってきた。
各都市では事業の外部委託を進めるなどのコスト削減策をとってはいるものの、冒頭に出てきた神戸市のバス事業は310億円の累積赤字を抱えており、大阪市の累積赤字額も500億円を超えている。
また、確かに、バス協会が言うように、「官民格差」はバス業界に限らないようだ。前出の総務省の資料では、バスの運転手だけではなく、清掃職員と学校給食員(調理師)の給料の官民格差を比較しており、それぞれ1.4倍と1.35倍の開きがある。バス以外でも、「格差是正」を迫られそうだ。