杉田かおる「手記」は「ウソ」 離婚原因元夫になすりつけた

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   女優・杉田かおるさんの元夫が、「週刊ポスト」に掲載された杉田さんの「手記」によって名誉を傷つけられたとして、発行元の小学館を相手取って2,000万円の損害賠償を求めていた裁判で、元夫が勝訴した。この「手記」の事実性、公益性などが争われた事件だったが、この「手記」の事実性はことごとく認定されず、それどころか、杉田さんが元夫を罵倒したことが「離婚」に至った理由であるとの見方が示された。

「最低限の裏づけ取材すらしていない」

東京地裁は判決のなかで杉田かおるさんの「罵倒」に言及した
東京地裁は判決のなかで杉田かおるさんの「罵倒」に言及した

   東京地裁は2007年6月25日、小学館に800万円の支払いと「週刊ポスト」での謝罪広告の掲載を命じた。問題となったのは、「週刊ポスト」2005年9月2日号に掲載された「杉田かおる 独占手記 離婚の全真相」と題された記事。杉田さんの元夫が、杉田さんに対して暴力を振るったり、罵倒したりしたとする内容だが、元夫が事実無根として東京地裁に提訴していた。

   判決文によれば、杉田さんの著書「杉田」の出版の際に、あるライターに元夫と結婚生活がうまく行かないことを告白。関心を持ったライターが杉田さんにインタビュー取材を行い、記事を作成した。杉田さんの了承を受けた上で、「週刊ポスト」編集部の担当者が修正を行い、杉田さんの署名入りで記事を掲載した。これに対し、元夫が名誉を傷つけられたとして提訴。

   小学館側は「一般読者は記事掲載のように杉田さんが語っていると理解するものに過ぎず、手記の内容が客観的事実であると理解するものではない」などとしたほか、「『負け犬』から『セレブ婚』を果たして注目された杉田さんの人生の有為転変を語ったもの」として公共の利益にかなうものだったと主張した。これに対し、野山宏裁判長は、「ゴシップ記事の範囲を全く出ないもので、公共の利益には当たらない」としたほか、「最低限の裏づけ取材すらしていない。真実であると信じるに相当する理由があったとは到底言えない」と記事に書かれていた内容の事実性についても認定しなかった。

   さらに、判決文には、「週刊ポスト」で報道されていた内容からすると意外なことも書いてある。

杉田が夫を罵倒、これが離婚の原因

   「週刊ポスト」の杉田さんの「手記」によれば、レストランやホテルの一室で「彼は私を罵倒し始めた」「彼は私に向かって殴りかかってきた。感情のやり場がないかのように暴れだした」などといった出来事が記されており、元夫の性格的な問題から杉田さんが離婚を余儀なくされたかのような内容が綴られていた。

   一方、判決文には「レストランで杉田かおると口論になり、かおるが原告(元夫)を罵倒するような言動をしたことによって、結婚は破綻の方向へ向かって行った」といった「実情」が書かれている。つまり、判決からすると、杉田さんと元夫が離婚へ至ったのは、「週刊ポスト」で言われているような元夫の「罵倒」や「暴力」ではなく、むしろ杉田さんの「罵倒」が原因だとされているのである。つまり、この「手記」は離婚の原因を元夫になすりつけた「トンチンカン」でひどい中身だった、ということになりそうだ。

   これに対し、小学館広報室は、「当方の主張がまったく認められず、残念だ。判決文を仔細に検討した上で、今後の対応を決めたい」との公式コメントを述べるだけで、これ以上のことはコメントできないとしている。

   一方、杉田さんの元夫の代理人はJ-CASTニュースに対し、

「私人のプライバシーを重視した判決で、情報が氾濫する時代での『書きっぱなし』『言いっぱなし』に警鐘を鳴らすという点で意義がある」

と述べている。

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