「重病ならば、米国は交渉しないで死ぬのを待つ」
これらの(韓国からすると)外国メディアの「健康悪化説」を韓国メディアでは大きく伝えているが、これらを否定する見方も少なくない。韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」は、北朝鮮の内部消息筋の話として、金総書記は6月7日、農場や工場など3箇所の現地指導を行ったとした上で、「現地指導の訪問に関連した行事が夜明けの1時まで続いた」と報じた。この消息筋は
「工場の人たちの話では、ここの労働者の技術の成果に満足して表情は明るく、細かい指導を下したという」
と話し、1日に3箇所を回るという「強行軍」であったことから、
「健康がよくなければそのようにすべて回ることができるだろうか」
と、健康悪化説を否定したという。確かに、心臓手術からわずか半月後の「強行軍」は、ちょっと考えにくい。
韓国の李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官も6月14日に記者団に対して「特別な兆候はない」と語ったといい、同様に健康悪化説には否定的な見方だ。
コリア・レポートの辺真一編集長も、「重病はない」説を唱える。
「金総書記の健康悪化説は、今に始まった話ではありません。65歳なのだから、病気の1つや2つあってもおかしくありません。問題は、それが業務に支障がでるほどひどいのか、ということ。公式活動は行っており、その写真も発表されていることを考えると、重病はない、と考えるべきです」
では、ドイツの医師団はピョンヤンに何をしに行ったのか。J-CASTニュースが聞くと、辺編集長からは、意外な答えが返ってきた。
「『ベルリン心臓センター』が言うように、労働者の手術をしたんです。金総書記の健康状態は国家機密で、中国やロシアならともかく、西側の医師を呼べば、たちまちその病状はCIAの知るところになります。もし重病ならば、米国は核放棄に向けての交渉なんて真剣にやるはずがない。死ぬのを待ちますよ」