森林資源の保護やゴミの排出量の抑制をうたい文句に、使い捨ての割り箸を見直し、外食先へも「マイはし」を持参しようという動きが広がっている。居酒屋チェーンのワタミも07年7月から、国内全614店舗で割りばしを廃止し、プラスティック製の箸に切り替える。オープンしたばかりの箸専門店には若者から団塊世代までが「マイはし」を求めにやって来る。割り箸は生き残れるのか。
原料価格が上昇、割り箸価格も上がる
竹割り箸を輸入販売しているサイトでは、値上げに踏み切った
インターネットで竹割り箸を輸入販売している「e-竹箸どっとこむ」は、6月1日から竹割り箸の価格を値上げした。輸入先の中国の原材料や製造コストの高騰したのが理由。「木製の割り箸も含め、中国でも自然環境保護に目が向けられていて森林伐採に厳しい制限が課せられている」という。
J-CASTニュースが「マイはし」ブームの影響を聞くと、「いまのところ、その影響が売上げに直接響いているとは思えないが、居酒屋がプラスティック箸に切り替えたりしてくることを考えると、この先は減っていくのでしょうね」と、どことなくあきらめムードが漂う。
おしゃれ感覚で持ち歩く「マイはし」
一方、「マイはし」ブームに乗って、福井県小浜市の箸メーカー「兵左衛門」は5月30日、東京・広尾に箸の専門店「にほんぼう」を出店した。箸は「和」の伝統を感じさせながらもカラフルな柄ものも用意。携帯できるものを意識しながら1膳1,000円からそろえている。売れ筋は2,000円~3,000円。「手ごろなのか、主に若い人が買っていきます」と、店主はいう。
そのなかにあって、1膳1万円(税別)の携帯用箸「八四郎(はしろう)」は団塊世代を中心に、1日5膳ほど売れている。もちろん、箸置きや持ち歩き専用のケースも用意。
店主いわく、「お箸をおしゃれ感覚で使ってほしい。それがコンセプトです」。できれば、料理によって箸を使い分けてほしいという。
割り箸をやめれば本当に環境に役立つのか、については議論があるところだが、割り箸離れは少しずつ進んでいるようだ。