源泉の上に建物設置 都会の温泉「危ない構造」

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ビルメンテナンス会社が温泉を管理

「(源泉の上に建物が設置されるのは)考えられないですね。通常、源泉ではクレーンなどを使ってポンプの交換を行いますが、その作業が普通にできないですよ。さらに、天然ガスは屋外に出せば拡散するのに、(建物の構造上)なかに充満してしまう危険も考えられます」

   さらに、ビルのメンテナンス会社が「シエスパ」の温泉を管理していたことに関しても「普通はない」と指摘する。つまり、事故があった「シエスパ」の源泉の上に建物を建てるという構造やメンテナンス体制に「ムリ」があった、ということになりそうだ。

   しかし、こうした危険が指摘される一方で、ある温泉業界関係者は「最近、都会に温泉施設がつくられるようになって、(源泉の上に建物を建てるというのは)『ありえる話』になってきた」と語る。

   東京都環境局によれば、東京都内に存在する源泉の数は06年で144件。4年間で20件近く増加している。都内の限られたスペースで温泉施設を作るとなれば、当然、源泉の上に施設などの建物を建てることになりそうだ。だが、それを規制する法律はない。同局によれば、国の定める温泉法に関する条例では、温泉施設の運営上の防火対策について、規制が全くないという。

「(源泉の)採掘時についての防火対策の指導要綱はあるが、(温泉施設の)使用状況となると福祉保健局が担当することになる。確かに、火災等の対応にはなっていないと思われる」(都環境局)

   福祉保健局は、衛生上の管理について管轄することになるが、火災などについては関係していないという。つまり、「スパ」をはじめとした温泉施設の人気が上がり、「危うい構造」の温泉施設が増加しても、「野放し」にするしかないのだ。

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