日産のジレンマ 「OEM供給の軽頼み」

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軽から大型セダンに戻るのは至難の業

   ただ、販売不振を反映して国内工場の減産まで実施した日産が、もともと利益率が極めて低く、しかも他社からのOEM供給という厳しい条件下で軽自動車への依存度を高めることに、「軽に一度乗り換えた顧客に次にまた大型セダンなどに戻ってもらうのは至難の業だろう」(同)という不安も広がる。
   日産にとって軽自動車は、販売店のカンフル剤になったとはいえ、長い目で見れば基礎体力を奪いかねない「麻薬」になる危険もはらんでいる。大きなジレンマなのだ。

   07年度の日産は、5月に発売した英国生産のSUV「デュアリス」の初期受注が順調だ。SUV「エクストレイル」とスポーツカー「GT-R」など、いくつかの新型モデルの投入も予定している。
   社内には「07年度の軽市場は、新型車が続々出た昨年度に比べて伸びが止まった。日産の総販売数に占める軽の比率が06年度を上回ることはないのでは」との期待もある。

   志賀COOも「我々日産は、やはり登録車メーカー。顧客の軽への流出を抑えたり、軽から登録車へのお客も増やしたりで、軽販売の比率をこれ以上大きくならないようにしていきたい」と自戒をこめる。

   高まりすぎた軽自動車依存度が、ゴーン改革にかげりも見える日産の先行きを読みにくくしている。

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