ビリー氏の「励まし」のタイミングが絶妙
ビリー氏もホームページ「BILLY BLANKS TAEBO」(英語)を持っている。それによると、ビリー氏は少年時代から空手で数々の金メダルを取った。1989年にロサンゼルスのガレージでトレーニングを教え始め、後にトレーニングセンターを開いた。マジック・ジョンソンら有名人の名前も参加者として何人も挙げている。過去に「タエボー」というトレーニングを流行させたこともある。
今回のDVDの中身はどのようなものか。中身を紹介する通販テレビ番組の縮小版を同社のホームページ動画で見ることができる。「最強の51歳」と紹介される黒人格闘家のビリー氏が、アップテンポの曲にのって、背後の大勢の参加者とともにパンチやキックを披露する。掛け声が字幕で入り、「回せ、回せ」「気合だ」と励ましている。基礎から応用、腹筋、最終と4段階に別れ、1日分は内容によって30分程度から1時間弱まで。動画を見る限り、このペースで30分以上体を動かせば、かなりの運動量になりそうだ。ただ、エアロビクス教室を見ているような印象も受ける。
基本的にはDVDを見ながら一緒に体を動かすだけだ。独特のリズムと乗りがあるビリー氏の通販番組の映像は、ダイエットを超えて評判となり、テレビ番組のコントでネタとして使われたこともある。なぜこんなに流行っているのか。
ダイエット研究家で「心理学の先生が教える『読む』だけダイエット」の共著者の小澤まやさんによると、画面のビリー氏の絶妙な励ましの間、が秘密なのだそうだ。「テレビの前で疲れてめげそうになっている体験者をまるで本当に見ているようなタイミング」で、ビリー氏が「大丈夫だ」「つらくないか」「もう少しだ」などと声をかけるのだという。字幕で読むわけだが、ビリー氏と一緒にトレーニングを続けることが少し快感になるのだそうだ。
「君はだめじゃないさ、とのビリーの励ましにハマり、ダイエットは脇に置いて自己流に短時間にして何度も楽しむ人もいます」