走りを武器に欧米市場で評価アップ狙う
同社によると、WRX STiは自然に溶け込むような走りを目指している。
走りに派手さは無いが、水平対向エンジンの低重心とバランスの良さ、AWD(全輪駆動)の特性を最大限に生かすことが最大のテーマ。開発では2.5リットルエンジンも試されたという。
海外市場でスバル車は、「アウトバック(日本名レガシィ・アウトバック)」に代表されるように、レガシィやインプレッサのワゴンの最低地上高を高くしたAWD車が、SUV的な車として降雪地帯で高い評価を得ている。車の最大市場である米国でスバル車は、北部地域で1%を超える販売シェアを持つ。ところが降雪が無い南部地域では、AWDの必要性は無いことから販売は大苦戦している。
そこで新型インプレッサは米国での販売増を最大のテーマに据え、フォルクスワーゲンの「ゴルフ」をベンチマークに開発した。燃費向上だけでなく、ボディー全幅を拡大して3ナンバーサイズとすることで室内を広くし、米国市場のニーズに合わせた。だが欧米で存在感を示すには、インプレッサのイメージを高めるホットなモデルが必要。旧型よりも格段に性能を向上させたWRX STiを、07年末から海外でも発売し、走りを武器に欧米市場で新型インプレッサの評価を飛躍させる計画だ。