北海道夕張市は、全国の地方自治体などから訪れる視察団に「説明費用」を徴求する。夕張市は06年6月に財政破綻し、国からの財政再建団体を受けたため、鉛筆1本買うのにも国や北海道の許可がいる。コピー代など資料づくりなどにかかる費用だってばかにできない。というわけで、負担を視察団側に負ってもらい、少しでも市の収入を増やそうというのが目的だ。夕張市地域再生課は、「財政再建計画の策定に関する視察にかぎって、コストの負担をお願いしています」と理解を求めている。
「視察を受け入れるにも、人手がかかりますから」
夕張市が策定した内規によると、視察にかかる費用は5人以下1団体につき、1回60分の説明・意見交換で1万5,000円。一人増えるごとに2,000円、説明時間が30分超過するごとに3,000円を、それぞれ加算する。
通常の業務に支障を来たさないよう、毎月第2、第4木曜日を視察の対応日にすることも決めた。内規はすでに、6月1日から施行している。
夕張市は視察について、「電話での問い合わせはほんとうに多いのですが、こちらの意向はなかなか伝わらないですし、先方の意向も伝わりにくいこともあってか、実際に訪れる団体は少ないですね」と話す。
J-CASTニュースが「視察団が減るのではないか」と聞くと、「実際の運用は始まったばかり。財政再建に限定しているので、それほどでもないのでは。こちらも対応できる者が限られていますから、人手をとられることを考えると・・・」と言葉を濁しながら、苦しい台所事情を説明した。
ちなみに、産業振興などを目的とした視察や報道陣の取材、ホームページで閲覧できる内容については、従来どおり無料となっている。