自衛隊Winny情報流出 多発する本当の理由

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

ITの進歩についていけてないし、技術にも疎い

   なぜ、対策を講じていながら立て続けに「ウィニー」による情報流出事件が相次ぐのか。防衛省はJ-CASTニュースに対し、

「まだこの対策を実施している最中。(対策に)完璧はないので、まだ実施しながら対策を講じている段階で、現に本日(6月8日)も有識者をお招きして情報流出対策会議を行っている」

などとしている。イージス艦の機密情報が外部に流出した事件では、神奈川県警と海自警務隊が日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反容疑で2等海曹を捜査するなど、もはや機密情報の流出は日米の防衛協定に関わる重大問題。にもかかわらず、情報流出はとどまることを知らない。

   しかし、対策以前の問題とも語る専門家もいる。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は自衛隊の「危機管理・情報管理能力」に警鐘を鳴らす。

「自衛隊は感覚が甘いんです。一般社会と隔絶されていることで、一般社会の常識が自衛隊では常識になっていない。私物のパソコンで業務を行うことも、つい去年までやっていたんですよ。ITの進歩にはついていけてないし、技術にも疎いんですよ」

   建前上は情報流出対策を講じているようでも、現状ではそういった対策が全国で徹底されていないのが現状でもある。さらに、神浦氏は、自衛隊の「危機管理・情報管理能力の甘さ」を物語るこんなエピソードを紹介してくれた。

「暗号化された無線を使わないといけないのに、自衛隊は今でも私物の携帯電話を使わないと演習できないんです。そんなもの戦場に行ったら(傍受や電波妨害などで)使えないのに、ですよ。もう、解決のしようがないんです。そのくらい、携帯電話とかITの技術についていけていない」
1 2
姉妹サイト