直接の部下は「理解できない」
07年6月15日付け朝日新聞によれば、緒方氏は、土屋氏を「かつての敵」と表現し、「かつて敵対関係にあった」自分が総連不動産の買い手になれば、財産隠しではないと整理環回収機構が思ってくれるという読みがあったと主張している。
実は、緒方氏とは司法修習の同期の間柄。しかし、それでもなぜ緒方氏が朝鮮総連のために売買に関わらなくてはならなかったのかは未だに謎だ。元公安調査庁で緒方氏の直接の部下だった古市達郎・金沢工業大学教授は07年6月15日に放送されたフジテレビ系の情報番組「とくダネ!」に出演し、緒方氏の行動を「理解できない」とした上で、
「そのため(在日朝鮮人の人権を擁護)には、北朝鮮として日本の政府と交渉するとか、そういうのが本来あるべき姿で、それを一私人の立場でこういった支援をしなきゃならんという思い詰めた気持ちが、私たちは理解できない。(公安検事という)前歴との関係からいって難しいと思います」
と指摘する。また、司会者の小倉智明氏の「北朝鮮に対して調査がぬるい人ではなかったのか」との問いには、「ありえない」「海外から北朝鮮情報の質が高く評価された」と全面否定。さらに、古市教授は次のように、心情を吐露した。
「(緒方氏が)よほど何か裏情報を握っているのかなとふと思った。が、いくら考えても分からないから、(緒方氏の行動が)理解できないというのが正直なところ」