それまで表に出なかったのが顕在化した
全日空にJ-CASTニュースが取材すると、トラブルが多いのは喫煙、ケータイ、座席シートに関するものだという。酒に酔って客室乗務員の体に触ったり、卑猥な言葉を口にしたりする「セクハラ」も多いのだと言う。読売新聞の07年2月7日付けによると、06年1月に座席でケータイを使用していた乗客を注意したところ、「乗客は激怒して航空機から降りることを希望。客室乗務員と付近の乗客に大声で暴言を浴びせながら飛行機を立ち去った」トラブル事例があったという。
06年6月には、離陸前にリュックサックを放置していた乗客に収納するよう頼んだところ、指示に従わなかった。「禁止命令書」を交付すると、
「この乗客はふて腐れ、大声で禁止命令書を読み上げながら航空機を降りたという」
また、07年6月14日のTBS系報道バラエティー「朝ズバッ!」では、みのもんたさんが、
「飛行機に乗ったとたんにステテコ姿になった人がいた。理由は『ズボンがシワシワになる』だって」
というエピソードを紹介している。
航空機内のトラブルがこれほど目立ってきたのはどうしてなのか。全日空広報は、
「報道では『マナーが急に悪くなった』、というものもありますが、04年の改正航空法以降、法律の後ろ盾ができたため、注意しやすくなり、それまで表に出なかったのが顕在化したものともいえます」
と説明する。昔からマナーの悪い客はいて、苦労させられてきたということのようだ。警視庁東京空港署の担当者は、「あくまで私的な見解」としながら、
「権利意識が強くなっている。高い航空運賃を払ってなぜ、あれこれ指図されなければならないのか、という感じだろう。しかし、一人の不届き者のために大勢の人が迷惑を受け、航空機ならば200人~300人の命にかかわる問題にもなる。それで50万円以下の罰金というのは、あまりにも罰が軽い」
と話している。