謝っただけでは許してくれず、すぐ「訴える」という
多くの場合話は長期化し、親側が「訴えてやる」と迫ることも珍しくなく、教師たちに心理的圧迫を与えている。裁判に至らないまでも感情的しこりが残る場合も少なくない。ある教育委員会関係者によると、以前は学校の先生にもし非があれば、謝れば済んだ。それが、謝っただけでは済まなくなり、すぐに親たちが「訴える」と主張するようになった。最近では、そもそもなんで学校や教師に関係があるのか、という事例でどなりこんでくる人も増えた。
福岡市教育委員会は、05年から親たちと学校のトラブルを仲裁する第3者機関として、「学校保護者相談室」を設けている。学校からだけでなく、保護者からも相談することができる。元小学校校長らが相談員を務めている。相談員の判断で弁護士に意見を聞くこともある。
ある学校関係者によると、子供同士が学校でぶつかり1人がけがをした。賠償金を払うべきか校長が判断しろ、と言われ校長がまごついていると、双方の親から「校長が悪い、学校を訴える」と言われた。同相談室には「親から訴えるぞ、と言われたが、どこにどういう非があるのか分からない」と相談とも悲鳴ともつかない内容の訴えもあるという。
もっとも、年間約200件のうち、学校からの相談は約1割。9割は親から学校に対して不満がある相談だ。「困った親」ばかりではなく「困った先生」もいる、という指摘もあり、ケース・バイ・ケースのようだ。