「『サービス手抜きなし』よくそんな事が言えたものだ」
サービスの質についても、別の自治体担当者は「人員基準を満たさず、あきらかに低下を招いていました」と解説する。テレビ番組で「介護に必要なスタッフはいた。サービス低下はない」と折口会長が言明したことについて「よくもそんなことが言えたものだ」と不満そうだ。例えば1事業所で常勤2.5人以上、などの基準があるが、その基準を満たしていなかった。書類上の届け出担当者と違う人が実際にはおり、その訂正書類が提出されていなかったとしても、サービスを維持しようと努力する跡が見えれば、処分するにしても程度を考慮する、という。事務所指定取り消しは、最も重い処分に当たる。
「悪意はなかった」を繰り返す折口会長。東日本のある担当者は「会長個人の悪意の有無は分からないが、結果の重大さをきちんと受け止めていない」と批判的だ。
もし折口会長がウソをついていないとすれば、「不正の実態」について会長に報告があがっていなかったという場合だ。もっとも、「処分逃れ」を実行する際には、コムスンの社長は折口会長に相談し、許可をもらっている。折口会長に「不正」という経営の重大問題を知らせない、ということは考えられるのだろうか。
8施設以外にも6月8日には鳥取県の県議会委員会で、コムスン事務所の不正運営の可能性を県側が指摘した。調査を進めているという。