動画にコメントを付けられるサービス「ニコニコ動画」がブレイク中だが、このサービスを提供している「ニワンゴ」が、新たなサービスを始めた。ウェブサイトの画面にコメントを付けられる、というものだが、2ちゃんねるさながらの、なかなか過激な書き込みも多いようだ。
批判的なコメントが大量に付けられる
J-CASTニュースのページにも、付せんがいくつか付いていた
新サービスは「ニコニコブックマーク(仮)」という名称で、2007年6月7日夜にスタートした。ウェブサイトのキャプチャ画面に付せんを貼り付け、コメントを書き込める、というものだ。「ニコニコ動画」に登録し、IDを持っている人であれば、誰でもコメントを付けられる。
「ニワンゴ」は6月1日には4箇条からなる「ニコニコ宣言(仮)」なるものを発表しており、2番目の項目には「ニコニコはすべてのものにコメントを付けられるサービスを目指します」とある。今回のサービスも、この方針を踏まえたものとみられる。
サービス開始から20時間後に更新された「開発者ブログ」には
「昨日の19:30にサービスを開始しましたが、現在、訪問者7万人強、ページビューも90万を超えました。ニコニコ動画(β)の開始時よりも好調なすべりだしとなりました」
とあり、順調なスタートをアピールしている。
その一方で、サービスの斬新さゆえに、色々と乗り越えるべき事柄も多そうだ。
当初は「開発者ブログ」にはコメント欄が設けられていたが、コメントが殺到したため後に閉鎖され、ユーザーが意見を書き込むための掲示板が別に設置された。この掲示板では、サービスの問題点が様々に指摘されている、最も多いのが、第三者が作成したウェウサイトのスクリーンショット(画面のコピー)を勝手に作成し、批判的なコメントを大量に付けることの是非だ。「著作権の問題や名誉毀損で企業や団体に訴えられるのではないか」と危惧する声も多い。
「停止も検討しなければなりません」
確かに、「ニコニコブックマーク(仮)」にアクセスしてみると、罵詈雑言とも取れるコメントが付いている例も多い。例えば、日本音楽著作権協会(JASRAC)のトップページは、
「早く潰れろよ。こんな組織」
「日本の音楽をダメにした団体」
といった非難の声を書き付けた付せんで埋まっていた。
こんな状況に対して、運営側も「開発者ブログ」で
「あまりに酷い投稿を続ける方には、ニコニコアカウントの調査・停止も検討しなければなりません」
と利用者をけん制するなど、何らかの対策を講じたい考えのようだ。
その一方で、J-CASTニュースがニワンゴの広報担当に話を聞いてみると、
「まだ開発側から情報も上がってきておりませんし、まだ開発途中なので、コメントは差し控えさせてください」
という答えが返ってきた。あくまでテスト運用で、まだ公式のサービスではない、というスタンスのようだが、運営側の足腰の弱さが浮き彫りになった形だ。