2,700万円「ルノワール」 ヤフオク出品本当の狙い

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   ヤフーオークションに2007年6月5日、鑑定書付きルノワールの絵画が出品されて話題になっている。オークション開始値はなんと2,700万円で、鑑定書付きとしては過去最高値だという。買い手が現れるかはわからないが、たとえ売れなかったとしても、出品者には別の狙いがあるのだという。

HPへのアクセスが250倍以上

「ヤフオク」にルノワールの絵画が出品されている
「ヤフオク」にルノワールの絵画が出品されている

   ヤフオクに出品された絵画は、ルノワールの「若い女性の背中と少女の顔」。ヤフオクが「鑑定書付きオークション」という新しいカテゴリーを始めたのは07年5月24日から。出品者は大和田画廊オーナーの大和田操さんで、J-CASTニュースの取材に対し、出品の経緯をこう語る。

「海外ではサザビーなどがネットオークションに参入し、高額な絵画が普通に出品されていますが、日本は遅れています。たまたまヤフーの鑑定書付きオークションを知りまして、これはいい機会だと出品を考えたんです」

   入札は2,700万円から。この2,700万円というのは採算ギリギリ。これを下回ると「赤字」だそうだ。

   このルノワール、ネットで「高額な絵画がオークションに出ている」と話題になり、大和田画廊のホームページにもアクセスが集中。HPに掲載されている絵画に1点に付き通常は日に30アクセス程なのだが、出品したこのルノアールだけで、1日で7,000アクセスにものぼり、さらに増え続けている。大和田さんによれば、こうした注目で目的の一つが果たせているのだという。だからか、売れるか、売れないかについてはこんなことを述べる。

「たぶん、売れないだろうと(笑い)。でもね、再び絵画に注目してもらうための啓蒙・啓発になってくれればいいと思っているんです」

ヤフーは業者間取り引きにも期待

   バブルの時代は投機目的で高級絵画の売買が盛んに行われていたが、それ以降は注目度がガクンと下がった。大和田さんは日本人の絵画文化と、美術業界の低迷を憂いて、何かショック療法が必要と考えていた。

「絵というものは感性に訴えるものがあります。ネットで見ていただいても、それはわかります。高額な絵でなくても、家庭の中に何か絵を飾りたい。そんな気持ちになってくれる人が増えてくれれば嬉しいんです」

   このルノワール、07年6月7日午前11時時点で入札者はゼロだ。さすがに高額だからオークションに参加できずにいるようだ。ヤフー広報は今回のルノワール出品についてJ-CASTニュースの取材に答え、

「いきなりメジャーなものが出てきた、という印象です。これまではCtoC、BtoCの取り引きが主でしたが、今後はこうした高額なものも増えてくると思いますので、BtoB(業者間取り引き)がこれを機会に増えてくれれば、と期待しています」

と話している。

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