東証1、2部上場と同レベルの審査も実施
東証の西室社長も07年5月の最後の定例会見で、新興市場の低迷問題に触れ、「上場後の成長性について、明確な検証を行わなかったことは痛烈に反省している」と語った。
東証は今後、質の高い新興市場を目指し、現在は規制がない大株主の持ち株比率に一定の制限を設けることを検討。また上場後5年程度を経過した企業に対し、情報開示や内部管理体制などについて東証1、2部上場と同レベルの審査を実施する。上場後一定の期間を経過しても一定の売上高や利益の水準を満たせない企業は上場廃止にすることも検討する。
株価低迷という形で投資家が突きつけた市場への不信感。マザーズなどの新興市場は、企業の成長性という「錦の御旗」だけで投資家を引き付ける時期はもはや去ったことを教えている。一方、規制強化だけでは若い起業の成長の芽を摘みかねず、東証などは難しい方程式を解かなければならない。