アダルト映像配信事業への投資をうたい、ねずみ講を開設し全国の約2800人から計約4億5800万円を集めたとして、2007年5月31日までに芳賀一智容疑者(39)ら計4人を神奈川県警が逮捕した。実は、06年5月に容疑者が「強盗に入られ、事業継続は不可能」という内容の、変な書類を会員に出し、騒動になっていた。
「週給100万円稼ぎませんか」
「検証サイト」も登場している
事件の経過は、06年1月に芳賀容疑者らがエコグリーンという会社を設立。「倶楽部・パラダイス・ヘブン」という投資プログラムを作成し、「驚異のパラダイスヘブンで大興奮!!」「パラダイスヘブンで週給100万円稼ぎませんか」などの謳い文句でアダルト映像配信事業のオーナー勧誘の説明会を開いていた。オーナーは1口約3万円を払い、新たなオーナー1人を紹介すれば2,000円、さらに紹介者の数に応じて多額の配当を支払うとしていたという。しかし、06年5月24日付けで、全会員宛てに突然こんな書面が届く。
「5月15日にパラダイスヘブン事業部の責任者が自宅で拉致され、自宅に置いてあった多額の現金(会社預かり金)を奪われました。奪われた現金が致命的となり、このままパラダイスヘブン事業部を継続していくことは困難となりました。皆様に出資していただいた大切なお金を何とかお返し出来る様、頑張っていく所存でございます」
ネット上では「詐欺」だったのではないか、というカキコミ
もっとも、この「事件」、額面通り受け取れないようだ。ネット上では「パラダイスヘブン」はやっぱり「詐欺」だったのではないか、というブログやカキコミが多く出て、あるブログでは、
「千葉県警ウェブサイトの最新事件・事故ファイルによれば、5月15日に該当する事件は発生していない。自称投資MLM『パラダイス☆ヘブン』は、逃走した可能性が高いと考えられる」
などと書かれていた。
「2ちゃんねる」には、「パラダイスヘブンの被害者の会」「パラダイスヘブンの被害者の近況はどうよ?」などのスレッドが立っていて、
「皆さん、泣き寝入りすることなく、がんばりましょう」
「最近、パラダイスヘブンの残党がやっていると思われるMLM (マルチ商法) の報告を頂きましたので、被害者が多数出る前に報告致します」
といった被害の広がりを食い止めようとのカキコミもされていた。
07年5月31日の時事通信によれば、逮捕された同容疑者は容疑を否認。「皆がもうかればいいと思った。違法になるとは思わなかった」と供述しているという。