定義が曖昧で、カッコよく見えるという便利なツール
でも、本当に「横文字を多用する人はコミュニケーション能力が低い」のか。
J-CASTニュースは「日本コミュニケーション研究所」理事長の四條文さんに聞いてみた。
四條さんによると、コミュニケーション能力の高い人というのは、話をする相手に一番効果的な言葉を使い、相手の気持ちを動かしたり、場の空気を適切な形に変えられる人なのだそうだ。そんな中で横文字というのは、
「定義が曖昧なままで使え、しかもカッコよく見えるという便利なツールなんです。政治家も多用して『ズルイ』といわれたりもするのですが、話した相手に意図が伝わらなくても自分の責任ではない、という事を前提にして使う人もいます」
という。
しかし、横文字を多用する人がコミュニケーション下手かどうかはケース・バイ・ケースなのだそうだ。同じ業界人が会話をする場合は、共通の横文字を使ったほうがコミュニケーションがしやすかったり、意図的に「異質な人」を排除したい場合なども横文字は効果を発揮する。また、最初から外国語だったものについては、無理に日本語に直すとこれまた誤解が生じたりする場合もあるというのだ。
「話す相手、場面に合わせ、横文字を使い分ける事が重要なのです」
あくまでコミュニケーションは横文字だけが問題ではなく、相手に対する思いやり、場を読むことが必要と四條さんは強調している。