「ナントカ還元水」発言で注目を浴びた松岡利勝農林水産大臣はこのところマスコミの集中砲火を浴びている。巨額光熱水費問題に対して「法律に基づき適切に報告している」との答弁を繰り返す松岡大臣。「厚顔無恥」「居直り」とまで批判されても説明する気配はない。その答弁を支持し続ける安倍首相にも批判の矛先は向いてきた。
松岡氏は光熱費や水道代がかからない議員会館にしか事務所をかまえていないのにもかかわらず、政治資金収支報告書に光熱費を計上していることが、以前から問題視されてきた。その額、01年~05年の5年間で計2,880万円。
「法律に基づき適切に報告している」の繰り返し
国会は「ナントカ還元水」問題で揺れ続けている
これまでも巨額の光熱費について質されたことに対して大臣は「水道はナントカ還元水とかをつけている」答弁、「ナントカ還元水」を精製する浄水器などが確認できなかったことから、この問題がくすぶり続けていた。
2007年5月23日に開かれた衆院予算委員会での集中審議でも、野党からこの問題が追及された。民主党の岡田克也元代表の質問に、松岡大臣は「法律にのっとり、適切に報告した。それが説明に代わる」と相変わらずの答弁。「ぬかに釘」とも言える状態に、岡田氏は矛先を安倍首相に向けることにした。岡田氏は「松岡大臣の答弁で『説明責任』を果たされているとお考えですか」と安倍首相を質した。ところが、安倍首相から返ってくるのは、
「法に定められているものの中におきまして、松岡大臣は責任を果たした、と考えております」
といった、という意味不明な「援護射撃」ばかりだった。
この状況に対して、翌5月24日の各紙の社説やコラムは、一斉に2人の姿勢を批判している。
毎日新聞は、社説で
「農相は光熱水費の内訳を今後も公表する気は毛頭ないようだ。『説明しない』のは「説明できない」ということだ。もはやそう見なすほかない」
としているほか、信濃毎日新聞は
と、松岡氏の姿勢を「居直り」と非難。また、「あきらめムード」が漂う社説もある。