ダウンタウンの松本人志さん(43)の初監督作品「大日本人」の評価がメディアの中でも分かれている。カンヌ国際映画祭での公式上映を終えて、「海外からオファー殺到」「観客爆笑」といった景気の良い報道があったかと思えば、「監督としての才能がないのではないか」という観客の声を紹介するメディアもあるのだ。
作品は、松本監督が主演。松本監督が扮する代々伝わる教祖が、巨大な日本人「大佐藤」に変身し、街中の「獣」を退治していく、というストーリーだ。
配給オファーが殺到?
「松本作品」のカンヌでの評価は割れている?
第60回カンヌ国際映画祭の関連企画「監督週間」に出品され、2007年5月19日深夜(日本時間で5月20日)公式上映され、約800人が鑑賞した。この上映への各紙の反応が分かれているのだ。
共同通信は「観客の爆笑で迎えられた」と好意的に報じており、日刊スポーツは
「午後10時開始という遅い時間にもかかわらず、会場には1時間前から行列ができ、超満員となる約800人が殺到。上映中には随所で笑いが起こるなど、日本での封切りを前にカンヌで認められた格好となった」
と、「カンヌで認められた」と、持ち上げてみせた。
サンケイスポーツは「配給オファーが殺到」として、現地時間の5月21日午前までに
「北米、欧州、アジアの計10カ国から問い合わせがあった」
とする宣伝担当者の声を紹介、順調なスタートぶりを報じている。
その一方で、若干冷ややかな見方をするメディアもある。
夕刊フジは、観客からの「賞賛」とかけたと見られる「笑惨」という見出しをかかげ、現地での「不評」ぶりを報じている。地元のジャーナリストや編集者の
「アイデアは良いが、編集がうまく行っていないような気がする。監督としての才能がないのではないか」
「公式上映から1日以上が経過したが、まだ、強力に松本作品をプッシュする評論家がいない」
といった辛辣な声を紹介している。