日経新聞のヘンなコラム 「立てこもり」と「引きこもり」同じ!?

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   日経新聞の1面に掲載されているコラム「春秋」が、「無茶苦茶だ!」とネット上で叩かれている。愛知県長久手町の立てこもり事件を題材にしているのだが、子どもの「隠れん坊」と事件の「立てこもり」、若者の「引きこもり」をごちゃまぜに論じているのだ。

「立てこもる」のは「捕まる」ことが目的、だそうだ

日経のコラム「春秋」がネット上で叩かれている
日経のコラム「春秋」がネット上で叩かれている

   2007年5月20日付けの問題のコラムは、子供の「隠れん坊」の説明から始まっていて、押入れに隠れ、鬼に見つかる瞬間が「無上の快感」だと書いている。そしてこう続けている。

「『立てこもる』という行為とは、つまるところ『捕まる』ことが目的ではないか。隠れ方がうますぎる子供は孤独感を味わう(中略)ボクを発見して…」

   次に、いきなり長久手町の籠城事件の容疑者(50)の話になる。元妻に復縁を断られたこと、FM局に電話したことから、

「勝手に孤独の淵に落ちた揚げ句に、自らの存在を劇的に主張したかったに違いない。そんな驚くほどの幼児性に巻き込まれ、尊い命が犠牲となった」

と分析している。
   もともと「立てこもる」という意味は周りを閉ざしたなかに、こもるということで、「敵に対抗する」というニュアンスを含んでいる。隠れる、という言葉は「人目につかないようにする」わけで、攻撃性は感じられない。だから、「隠れん坊」と「立てこもり」を同一の土俵で論じるには無理がある。
   最後に、

「立てこもり事件が増えているのは気のせいではあるまい。4月には東京町田の都営住宅で、男が大騒ぎして拳銃自殺を図った。家庭内で暴れた末に、自室やネット空間から出てこない若者が多いとも聞く。逃げるのではなく、立てこもる。その孤独で甘えた心理の底に人と人の繋(つな)がりが薄れた寒々しい世相が映る」

と結んでいる。こちらは、どちらかというと若者の「引きこもり」で、攻撃性がある「立てこもり」と決めつけるのは難しいのではないか。
   「2ちゃんねる」にはこのコラムを巡って2,000近くの意見がカキコまれ、「祭り」が始まっている。その殆どが、コラムの内容が「無茶苦茶だ!」というものだ。

「なんというこじつけ…」
「オタクが引きこもるのとヤクザが立てこもるのは動機が違う話だろw」
「事件にかこつけて文学っぽい文章書きたい気持ち(前半)と、記者だから世相と結び付けなきゃいけない気持ち(後半)が、ごたまぜになって無茶苦茶なことになってる」
「そもそも最初のかくれんぼの話から間違ってるし、隠れ方がうまいのをなんで最悪まで強引に持っていくんだよw」
「パソコンなんか使えなさそうなオッサンが起こした事件をネタに若者叩きかよ。まるでギャグだな」

日経の記者なんだから、調べればわかることだろ?

   さらに、文章にある「事件が増えているのは気のせいではあるまい」「自室やネット空間から出てこない若者が多いとも聞く」については、

「日経の記者なんだから、調べればわかることだろ?」

などという批判もある。
   このコラムについて、日経新聞にクレームは来ていないのか。J-CASTニュースが問い合わせると、同社の経営企画室広報グループは、

「これまで読者からのクレームは来ていません。ネット上で議論があることは知っていますが、特にうちとしてはコメントすることはありません」

と話すだけだった。

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