国内で車売れない危機打開策 トヨタ本気でアイデア募集

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売れなくなった構造要因に真剣に目を向ける

   トヨタは06年、看板車種の「カローラ」を6年ぶりに全面改良し、高級ブランド「レクサス」に中核車種と位置付ける「LS460」を満を持して投入した。車としての完成度の高さについての評判は高く、反応は良好だが、新型車や新モデルが消費者の興味をかきたてて市場全体をけん引するほどの爆発的な勢いは感じられない。「日本経済の回復が続く中で、潜在的な買換え需要は大きいのに、自動車市場はどうして盛り上がらないのか?」と、トヨタの関係者も首をかしげる。

   「収益力を高める高級車種の投入があったが11万台落とした分を完全に埋めることはできなかった。国内は大変厳しいと思っている」(鈴木武専務)との危機感から、トヨタは06年末に社内横断的なチームを立ち上げ、国内低迷脱却のアイデアを懸命に探り始めた。

   対策チームは、自動車という商品の枠内だけで解答は出さず、地域や社会全体の問題の中で消費を喚起する自動車を改めて模索している。携帯電話などの情報関連の支出が増えた若者の「車離れ」や、少子化による若年人口の減少による市場構造の変化を深刻に受け止め、車が売れなくなった構造要因に真剣に目を向けざるを得ない。地域ごとの特性や家庭の年代構成、消費者の行動なども踏まえて自動車市場全体を抜本的に洗い直そうというものだ。

   少子化対策は政府でも有効策を打ち出せていない難題中の難問だ。それでも、トヨタの渡辺捷昭社長は「国内市場を活性化するためには、何よりも市場創造型のいい商品を投入することだ。地域の活性化を含めて、いろんな手を打っていきたい」と、社内チームの試みに大きな期待を寄せている。

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