福島県会津若松市在住の高校3年生の少年(17)が、切断された母親の頭部を持って警察署に出頭、逮捕された事件の衝撃が広がっている。頭部だけでなく右腕をも切断、その腕は植木鉢に挿されていたのだという。この猟奇的な残忍さは1997年に14歳の少年「少年A」が男児を殺害、頭部を学校の前に放置した「酒鬼薔薇事件」を思い起こさせる。関連性があるかどうかは全く不明だが、いまだに掲示板での「酒鬼薔薇スレ」では、「カリスマ性が違う」と、半ば「少年A」を美化するかのような声も聞こえてくる。
母親の右腕は切断され、植木鉢に挿された
掲示板には「酒鬼薔薇スレ」も
調べによると、実家を出て市内のアパートに下宿している高校3年生の少年(17)が2007年5月15日の午前1時半頃、食事や洗濯の世話をしに来ていた母親(47)の頸動脈を刃物で切って殺害した。その後頭部をノコギリで切断、家を出てインターネットカフェに向かった。朝5時前から約2時間にわたって音楽DVDを鑑賞、毎日新聞によると、ネットサーフィンは出来ない席だったという。ネットカフェからタクシーを呼んで会津若松署に出頭、「母親を殺しました」と淡々と語り、母親の頭部が入ったバッグを差し出したという。さらに翌16日には、母親の右腕も切断されており、その右腕は、植木鉢に挿され、白い塗料のようなものが塗られていたこともわかっている。死因は頸部動脈切断による失血死。生きたまま首を切られた可能性も高い。
この残虐な犯行に、J-CASTニュースの「ワイドショーウォッチ」でも既報のとおり、97年に神戸市で発生したいわゆる「酒鬼薔薇事件」と結びつけて、加害少年の「心の闇」について論ずる動きも広がっている。
未成年者が殺人を犯す事件は少なくないが、首を切断する例は極めてまれだ。このため、「酒鬼薔薇」事件を思い出した人も少なくないはずだが、ネット上の掲示板「2ちゃんねる」では、この話題が地味に、しかし継続的に扱われている。
「酒鬼薔薇とはカリスマ性が違いすぎる 」
2ちゃんねる内にある、少年犯罪関連の話題を扱う「少年犯罪板」には、「神戸連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇スレ」というスレッドが存在し、現在57スレッド目。「酒鬼薔薇スレ」とは言いつつ、実際は事件とは大して関係のない雑談も多い。だが、時々は
「サカキバラってネットできる環境にあったら絶対このスレみたいなの覗いて薄ら笑みを浮かべてそう」
と、事件を振り返る声が聞こえる、といった状況だ。今回の事件を受けても、特に「祭り」が発生する訳でもないが、
「まあ酒鬼薔薇にはなれんよ カリスマ性が違いすぎる 」
といった流言飛語が飛び交いつつある。「酒鬼薔薇に比べてもの足らない」とでも言いたげだ。
また、5月14日夜に「母親を殺してきた」というスレッドが立ったことを、今回の事件と関連づけて報じるメディアもあった。毎日新聞がこの件を最初に報じ、時事通信、J-CASTニュース、夕刊フジもこの件を報じたが、書き込みの時間が14日21時ごろだったのに対して、母親が殺害されたとされる時刻は翌15日の午前1時半。時間が大きく食い違っていることから、事件との関連性は薄い可能性が高まっている。