仮想世界で「性行為」すると 罰せられる時代が来た

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   仮想3次元世界「セカンドライフ(Second Life)」で行われている仮想の「性行為」にまで警察が動き始め、実際に罰せられる可能性が出てきた。「セカンドライフ」を運営する米リンデン・ラボ(Linden Lab)も「児童ポルノ」問題について公式コメントを発表、その中で「性的描写や未成年者を含むみだらな行為については断じて許容できない」との方針を明らかにした。しかし、実際にはセカンドライフのアダルトコンテンツはかなりの人気で、そこには驚くような光景が広がっている。

児童ポルノだとして告発される

セカンドライフのアダルトコンテンツはかなりの人気スポットだ
セカンドライフのアダルトコンテンツはかなりの人気スポットだ

   リンデン・ラボは2007年5月9日、公式ブログで「児童ポルノについての告発」と題した声明を発表した。それによれば、07年5月3日にドイツのテレビ局ARDが大人の男と児童が性行為に及んでいることをリンデン・ラボに通報した。もっとも、リンデン・ラボの調査によれば、アバターを使って問題を起こしたのは、現実世界で54歳の男性と27歳の女性で、2人のセカンドライフの利用がただちに禁止されたという。ドイツ当局は捜査に乗り出しており、同社は捜査に協力するとしている。リンデン・ラボはこの事件についての報告のなかで、次のように述べている。

「もしリンデン・ラボが誰かが、性的な表現や未成年者を巻き込んだ性的あるいはみだらな行為を含む、広告、場所、活動に関わっていることを認知した場合、そのアカウントは削除され、当局に通報いたします」

   しかし、リンデン・ラボのこうしたコメントとは裏腹に、セカンドライフ内のアダルトコンテンツはかなりの「人気スポット」で、なかには目を覆うばかりの「わいせつ行為」が蔓延している場所もリンデン・ラボ社の発表後もなお存在している。では、セカンドライフでの「わいせつ行為」とは何なのか。

アニメーション機能を選択すると、「性行為」のポーズ

   セカンドライフ内での「性行為」は仮想世界であるために、アバター(ネット上の分身)で行われる。「性行為」は、プログラム言語で設定されたアニメーション機能を使って行われる。アバターがアニメーション機能を選択すると、「性行為」のポーズを取り、その動作を行うというもので、2人のアバターの同意があれば、あたかも「性行為」をしているように見えると言うもの。仮想の自分がそのようなことをやって何が楽しいのか、という人も多そうだが、こうした行為ができる場所やこうした行為に及んでいるアバターがかなりの数に及んでいるようだ。

   しかも、仮想の「性行為」には驚くような仕掛けもある。実は、リアリティのある仮想の「男性器」「女性器」さらには「大人のおもちゃ」と呼ばれるような器具から、「体位」や「放尿」のアニメーション機能まで、性行為に関わる様々なツールを販売している店まであり、これがかなりの「盛況」の様子なのだ。リアルな仮想「性器」を付けたアバター同士の仮想「性行為」が行われている姿は異様だ。

   児童ポルノやネット上の犯罪に詳しい奥村徹弁護士はJ-CASTニュースの取材に対し次のように語る。

「日本の場合、児童ポルノ法に抵触するのは実在する人物の場合で、このような(リンデン・ラボが発表した)ケースはないと思う。ただ、バーチャルな世界での『性行為』などは、そのリアルさに応じて、『わいせつ』と認定され、法に抵触する可能性があり危険だ」
姉妹サイト