「感染性が否定されたとは考えていない」
今回の実験結果の評価や、検査牛の月齢引き下げについて懐疑的な書き方をしている新聞も多い。
「マウス実験で感染性が証明できないからといって、ただちに2頭の牛が安全だったとは言えない。ある専門家は『本当に感染性がなかったのか、原因物質の量が少なくて感染が進まなかったのか分からない』と指摘する」「米国のBSEの安全管理体制には不透明な部分が多い」(朝日新聞、07年5月9日付け)
「専門家によると、実験に使った脳のサンプルや、それに含まれる異常プリオンの量が少なすぎ、感染が成立しなかった可能性があるという」(産経新聞、10日付け)
「学識経験者や政府関係者の多くは、今回の結果が直接、条件見直しにつながるほどの安全性を示しているとはみておらず、今後も慎重な議論が続きそうだ」(岩手日報、同)
毎日新聞は、厚労省輸入食品安全対策室の話を掲載している。
「2頭のプリオンは通常のBSE牛の500分の1から1000分の1で、その感染性がマウスでは検出できていないということだ。実験は終わっていないし、感染性が否定されたとは考えていない」(5月9日付け)
米国との輸入条件緩和の協議開始を前に、消費者としては判断に迷うことになりそうだ。