飲酒運転で「懲戒免職」が「停職12カ月」に減刑

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   飲酒運転で懲戒免職になった沖縄県・那覇市消防本部の職員の処分が「停職12カ月」に変更になった。職員が「処分が重すぎる」と不服を申し立てたのを受け、職員の処分の是非について審議する同市公平委員会は2007年5月1日、処分を修正する裁決を出した。同市は5月9日、裁決の変更を求める再審請求をしない方針を明らかにした。飲酒運転即免職は厳しすぎるのかどうかで、自治体はまだ揺れている。

   男性は50代で、05年秋に酒気帯び運転をしたとして、06年5月に懲戒免職になった。事故は起こしていない。翌6月に公平委員会に不服を申し立てていた。同委員会は07年5月の裁決で、ほかの官公庁や民間との比較などを総合的に考慮すべきで、「懲戒免職はあまりに過酷だ」と判断した。

那覇市当局は「即免職」の方針は変えず

   那覇市は再審請求しない理由として、新たな証拠発見や事実誤認がある、などの請求要件を満たしていないためと説明している。02年4月から飲酒運転は原則懲戒免職、と厳罰化した「処分の目安」については改める考えがないことも表明している。同市人事課は、あくまで職員に飲酒運転をさせないことが目的で、目安を変更する必要はないと考えている。後に公平委員会で修正採決が出ると分かっていても、原則懲戒免職をする方針を貫く。

    過去にも、那覇市公平委員会と同じ結論が出ている自治体がある。05年には青森県や秋田県の県人事委員会が、飲酒運転で懲戒免職になった職員らに対し停職に軽減するよう修正裁決をした。

   飲酒運転への市民の目が特に厳しくなったのは、06年8月に福岡市で同市職員だった男性が追突事故を起こし、幼い子供3人が死亡した事故以降だ。行政職員の飲酒運転に対する処分基準厳格化のニュースが続き、厳格化に慎重な姿勢を示した知事や労働組合に批判が寄せられたこともあった。厳格化の流れは続いており、07年4月には静岡県掛川市も酒酔い運転を摘発されると免職、と改めた。

   こうした流れに地方自治体関係者の中には「国や民間はどうなのか」という不満の声が一部にある。今回の那覇市公平委員会の裁決は、地方自治体関係者への厳罰化の流れに疑問を呈する形になった。

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