長谷川洋三の産業ウォッチ
財界:経団連会長2年目の成果

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「1年間あっという間に過ぎた。新しいことを勉強するチャレンジングな毎日だよ」

   日本経団連の御手洗富士夫会長(キヤノン会長)は2007年5月7日、定例会見後のぶらさがりで、会長就任後まる1年の感想をこう述べた。御手洗会長は就任後、日本経団連会長は政策集団であるべきだと繰り返してきたが、「安倍首相との対話を通じ、モノ申すべきは申し、政治との車の両輪として政治経済の近代化に貢献してき」と自信を見せる。

   最近の話題といえば、4月28日から5月3日にかけ、安倍首相の中東諸国歴訪に随伴し、72社・団体175人の大ミッションの団長として1週間足らずの間にサウジアラビアなど中東5ケ国を駆け足訪問したことだが、「資源エネルギー協力だけでなく、人材育成やインフラ整備など、協力範囲を多角的、重層的に広げることができた」と満足そう。1日1ケ国訪問というハードスケジュールだったが、「時差のある生活には米国駐在時代に訓練を積んでいるので苦にならない。忙しいことは結構な話だ」という。帰国後、最初の土日にはゴルフを連日楽しむなどタフな一面をのぞかせた。

   5月23日の日本経団連定時総会で会長職2年目に入るが、「1年目で方向性を示すことができたと思うので2年目は実行面で成果があげられるよう努めたい」と抱負を語る。新興国の台頭などで世界経済は平均成長率5%の高水準にあり、これを追い風に日本経済も2%成長は底固い見通し。「日本経済は輸出企業を中心に低い利益率でも拡張期にある。各社は記録的な好決算をあげているし、機械設備投資も活発だ。グローバル市場でも負けるわけにはいかい」と強気の弁に終始していた。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「クリーンカー・ウォーズ」(中央公論新社)「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


姉妹サイト