「従軍慰安婦」問題について、オノ・ヨーコさんが米「ニューズウィーク」のBBS(電子掲示板)に論陣を張ったと、ネットで話題になっている。「人さらいや奴隷はフィクション。日韓条約が1965年に批准されたのに、謝罪と賠償を今頃持ち出すのはおかしい」などと書かれているとされ、ネット上には拍手喝采も起こっている。ただ、ヨーコさん本人だという証拠はまったくなく、名前を語ったニセモノだという可能性もある。
「拉致やセックスの奴隷というのはフィクション」
ネット上では「オノ・ヨーコ発言」が話題になっている
アメリカで過熱している「従軍慰安婦」批判に対し、オノ・ヨーコさんが真っ向から立ち向かったとされるのは07年3月29日の「ニューズウィーク」BBSへの一連のカキコミだ。07年4月上旬に日本のネット上で一時期話題になったが、07年5月2日にスカパーの「桜チャンネル」の番組「報道ワイド日本」でも紹介され、ブログや掲示板でこの話題が増えていった。オノさんが書いたとされるBBSにはアクセスできなかったが、翻訳が載っているブログを調べると、概ねこんなことが書かれていたという。
「日本国民は戦時中の慰安婦や売春婦の存在を否定していないが、拉致してきたり、セックスの奴隷にしたというのはフィクション。業者や女衒が60年から70年前にやっていたことが、いつの間にか日本軍のせいになっている」
「日韓基本条約(1965年)で、日本は巨額の補助金と長期低金利の融資を行い、以後の賠償請求はしないことになっているのに、謝罪と賠償を今頃持ち出すのはおかしい」
「アメリカは戦後日本で暴行強姦を数千件も行い、吉原に慰安所を作るように命令したくせに今頃になって正義面して何を言っているのか」
これに反応してネットの掲示板には、
「拍手喝采しました。立派な大和撫子ここにありと嬉しくなりました」
などというカキコミが現れる。
「2ちゃんねる」にも07年5月8日にこれに関するスレッドが立ち、
「本当か、本当か、1時間泣いたぞ。たぶん新聞には出ないだろうが。オノヨーコ万歳」
「反戦、平和のオノヨーコだから社民党みたいな事を言い出すかと思えば流石世界のオノヨーコ、みずぽたんとはちょっと違う。GJ」
「ヨーコはやっぱり日本の誇り。社会的影響力あるし、嬉しいね」
という感激のカキコミが並んでいる。
「でっちあげ」説もカキコまれている
しかし、書いたのは「オノさんのニセモノ」説や、カキコミはもともと存在しない、という「でっちあげ」説もカキコまれている。
ニセモノの根拠としてあげられているのは、投稿者の名前が「yoko ono」ではなく、「yoko lennon」になっていることだ。『yoko lennon』という署名の仕方が過去にあまりなく、ネット上での「釣り」の疑いもある。
「なるほど。『yoko lennon』ってヤシ『イコール』オノヨーコ タソではないって事なんだNE!完全に『釣られて逝る』じゃまいか!」
「これデマだろ。オノヨーコはこんなこと絶対に言わない」
また、あるブログは「オノ・ヨーコ本人が日本擁護のコメントを書き込んでいるという怪情報を流してる人物がいます」と書いていて、そのブログによるとその怪情報を流しているのは、先に紹介した「桜チャンネル」に関係ある人物なのだという。
オノさん本人が書いたのかどうか確かめようがないが、これを読んで溜飲を下げた人が少なからずいたことだけは確かなようだ。