米ヤフーは2007年5月8日(現地時間)、米国とカナダでオークションサービスを停止することを同社のウェブサイトで明らかにした。最後に入札ができる日は7月16日で、10月30日以降は、サイト自体も閉鎖される。その一方で、香港、シンガポール、台湾でのサービスは継続されるといい、日本では「ほとんど全く別の会社なので、影響の受けようがない」と話している。
掲載された文面では、
「慎重に検討した結果、他のヤフーの資産を通じて、よりよいサービスを大切なお客様に提供するべく、米国及びカナダのオークションサイトを閉鎖することを決定しました」
米ヤフーでは、オークションサービスの終了を知らせる告知が掲載されている
と、閉鎖の経緯を説明しているが、米国のオークション市場では、ヤフーがイーベイ(eBay)に圧倒されているためにサービス撤退を決断した、という声も上がっている。
調査会社「コムスコア(comScore)」の調査によると、米国でのウェブ上でオークション活動のシェアの94%は、イーベイ(eBay)が占めているのに対して、ヤフーはわずか0.2%。
こんな状況に対して、ニュースサイト「シーネット(CNET)」では、ヤフーとイーベイの両者を担当するアナリストの
「仮にヤフーオークションが上手くいっていないとすれば、ヤフーが他の分野に注力するのは、理にかなうことだ」
との声を紹介、「経営資源を集中させるのが目的」という見方を示している。
「米ヤフーの影響を受けようがありません」
また、07年5月には、両社が検索や広告に関する広範な戦略提携を結んでおり、ロイター通信でも
「両社での広告での結び付きと、イーベイでのオークション市場での独占ぶりを踏まえると、今回の件ではほどんど驚かない」
とのアナリストの声を紹介している。
ヤフーオークションといえば、日本でも大人気だが、日本での影響についてはどうなのだろうか。日本のヤフー広報室では、
「(米国から)若干の資本が入っているのと、看板を借りている以外は、基本的には別の会社と考えていただいてかまいません。検索機能の一部以外は、米国とは全く別のサービスです。なので、影響を受けようがありません」
と話している。