撮影を禁じるのは拡大解釈し過ぎ
インターネット犯罪などに詳しいジャーナリストの井上トシユキさんは、撮影を禁止すると映像の「お宝度」が上がり、撮影方法などが巧妙化し、いたちごっこになると指摘する。ネット利用者が若年層だけでなく大人層に広がったことで、従来のアイドルでは満足せず、女子スポーツ選手の映像に人気が集まっている側面があるという。選手や団体側に肌の露出度の検討などを求める一方で、ネット利用者へも好き勝手に映像利用をやりすぎると厳しい法律のしばりを呼ぶことになる、と自制を呼びかけている。
一方、知的所有権に詳しい松村信夫弁護士は、肖像権を中心とするパブリシティ権については、定義がはっきり定まっておらず、個人が撮影した映像をネット上で無償利用する場合、認められるかどうかは微妙な問題だ、という。しかし、利用されたサイトなどに対し削除を求めることはできても、撮影を禁じるのは拡大解釈し過ぎではと指摘する。屋内なら施設管理権としてフラッシュ撮影を禁止するなどは認められるが、屋外では理由を見つけるのが厳しい。倫理的な是非はともかく、法律的には任意で協力を求めるしかないのではという。
とすると、今回のケースもあくまで協力を求める、というのが基本だ。にもかかわらず、騒ぎになってしまった原因は何か。
あるビーチボール関係者は、肖像権の問題よりも「盗撮という性的目的の面がエスカレートするのが不安だ」ともらす。自身で見た訳ではないが、ネット上で女子選手の映像を卑猥に加工したものも流れている。何とか手を打ちたいとの空気が関係者内にあるという。