三菱自動車「eKワゴン」 意外な「苦戦」の理由

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宣伝広告の内容がよくなかった?

   一方、三菱が日産にOEM供給している兄弟車のオッティは、eKワゴンから1ヶ月遅れの10月に発売された。オッティの月間販売計画は2,600台。eKワゴン最大のウリである電動スライドドアの装備車は12月から供給というハンデがあったが、発売月から販売計画値を超え続け、3月まで6ヶ月の平均月間販売台数は4,574台となった。

   軽自動車の新車市場が過去最高の販売状況にあるなかで、三菱の系列ディーラーは苦悩し、日産の系列ディーラーは予想外の売れ行きに笑みを浮かべている。eKワゴンとオッティの大きな違いはフロントグリル部分のデザインと内装色だけで、それほど見た目は変わらない。

   もちろん三菱の計画値が大きすぎ、日産は控えめな計画を立てたという声もあるし、販売実績は両陣営の販売力の差も影響している。だが、三菱ならもっと売れていいはずだ、という思いは社内外に強い。そのせいか、宣伝広告の内容が両車の明暗を分けたと考える系列ディーラーが増えている。

   三菱も日産も販売ターゲットの中心は小さな子供を持つ主婦層。日産はオッティの楽しさをCMで表現し、様々な客層を取り込んでいる。ところが三菱は乗り降りしやすい電動スライドドアの訴求をメーンとしたことで、販売ターゲット層を絞り込みすぎた。

   三菱はeKワゴンの販売のてこ入れ策として特別仕様車などの投入を考えているが、販売増には商品の仕様から広告の内容まで、様々な変更が求められている。今後のてこ入れ策次第では、三菱と系列ディーラーとの信頼関係にも影響が出そうな雲行きだ。

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