バブルの象徴から世界の桧舞台に ザ・ウィンザーホテル洞爺

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サービス徹底のため、客室稼働率を下げる

   自己破産申請から再建に導いた窪山社長は、数々の名門ホテルの現場で経験を積み、質の高いサービスを行うとして数々のエピソードがある「伝説のホテルマン」として知られている人物でもある。例えば、こんな具合だ。

「空き室があるのに予約を断る時、とても申し訳なく思う。心苦しくもある。ただ、ホテルのサービスの質を保つためには致し方ない。そう割り切るようにしている」(「日経ビジネス」03年6月30日号)

   「ザ・ウィンザーホテル洞爺」の総客室数は398で、ハイシーズンでも予約は300室を上限とし、稼動率は75%制限していたという。バブル期だったために「豪華に大きく」作られてしまったホテルを、サービスの質を保ちながら運営していくためには予約を断ってでも、という哲学なのだ。

「お客様はリゾートホテルに、いつもと違う空間を求め、夢を買いに来る。(予約が)300室を上回ると、従業員の目が行き届かないばかりか、やや小走りになり、慌しい感じになる。すると夢の世界から現実に引き戻されてしまう」(同記事)

   この哲学についてホテル業界の専門誌などを発行するオータパブリケイションズJ-CASTニュースがたずねると、こう答えた。

「稼働率をあえて抑えるというのは異例中の異例」

   07年3月30日にオープンした「東京ミッドタウン」(港区六本木)内の「ザ・リッツ・カールトン東京」も、オープンから1週間は混乱を避ける目的で稼働率を下げたり、宿泊客のみレストラン利用を制限したりしていた。しかし、オープンから1年以上経過した後も稼働率をあえて下げるということは聞いたことがないというのだ。

   「ザ・ウィンザーホテル洞爺」が会場に選ばれた最大の理由は、地理的な環境から警備が容易なことだが、窪山社長のこのサービスの質へのこだわりが、どん底状態のホテルを世界の桧舞台にした要因のひとつなのかもしれない。

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