阪神タイガース赤星憲広選手が寄付した車いす「赤星号」が、「Yahoo! オークション」(ヤフオク)に出品された。結局、出品取り消しになったが、これは球団HPの掲示板のカキコミがきっかけだった。
出品者コメント「様々な反響が予想されます」
ヤフオクに出品された「赤星号」
赤星選手の公式HPに、ヤフオクの一件について本人のコメント(2007年4月26日付け)が掲載された。タイトルは「残念です」とあり、
「昨日、ヤフーオークションで僕が毎年盗塁の数だけ寄贈している車椅子が出品されていました。すぐにファンの皆さんの力で(違反申告等で)、出品取り下げになりましたが、悲しいを通り越して言葉もないです。どのような経緯で出品されたかは判りませんが、人としてすることじゃないですよ、許せません」
と、強い憤りをあらわにした。赤星選手は、03年から自身の発案で車いすを病院や福祉施設に贈っている。車いすを必要とする施設が球団宛に応募し、抽選により贈られる。球団によると、06年は公式戦盗塁数が35だったので、35台の車いすに対し約300件の応募があったという。
今回、ヤフオクへ出店された車いすには、赤星選手の直筆サインと背番号「53」が書かれ、シリアルナンバーとともに「阪神タイガース 赤星憲広 寄贈」と明記されている。ヤフオクへの出品開始日時は07年4月23日19時41分、終了日時は翌24日22時19分だった。出品者のコメントとして、
「知人から譲り受けたものです。新品未使用。タイヤにはまだカバーがついています。もちろん非売品です」
とあり、騒ぎを予想していたかのようなこんなコメントまで掲載されていた。
「様々な反響が予想されます。場合によっては早期終了や出品取り止めをせざるを得ない場合もあります。ご了承下さい」
「球団としてのコメントは特にない」
一方、阪神タイガース公式HPの掲示板では07年4月24日 21時47分に、
「球団関係者やファンの皆さんの心を痛めることになると思うので、 ここに書き込むのも申し訳ないぐらい」
と、ヤフオクへ車いすが出品されたことを知らせるコメントがあった。以降27日11時40分までに100件以上の意見が飛び交った。その多くは出品者のモラルを問うものだったが、徐々に、
「Yahooに(違反)申告しました」
「こーゆー行為はこういった場で吊るし上げるべき」
などと、カキコミの内容が過熱していった。そして、それが過熱するとともにヤフオクへ取引停止を求める「違反申告」が増え、4月24日22時19分には出品取り消しとなったという。球団掲示板には、「勝利」「祭終了」「阪神ファンをなめるな」など、過激なカキコミで「勝利宣言」が飛び交った。
もっとも、
「出品者の暴挙は防げたのは良かったが、ヤフーのオークションに対して、祭りだ、勝利だのというのはあきらかに行き過ぎた行為と考える」
の声も挙がった。 球団側は今回の一件を掲示板へのカキコミで知ったといい、その後すぐに出品が取り消されたため、特に行動を起こさなかったという。赤星選手自身がコメントを出していることもあり、
「球団としてのコメントは特にない」
とJ-CASTニュースに答えた。