不二家「社長発言」に抗議 TBS「捏造問題」重大局面

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   TBSの情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」の放送内容について、「捏造」が指摘されていた問題が再び波紋を呼んでいる。TBSが同番組で「謝罪放送」を行い、不二家がこれを受け入れたため、事態は一見沈静化したように思われていた。しかし、その後TBSの井上弘社長が会見で「朝ズバッ!」について問題発言をして、不二家から抗議された。さらに、総務省からは「事実に基づかない報道が行われた」と指弾され、TBSは重大な局面にさしかかった。

井上社長発言で騒動が「蒸し返された」

TBSは総務省に「厳重注意」を受けた
TBSは総務省に「厳重注意」を受けた

   さらに井上社長からは「TBSをバッシング風に取り上げるのは、おかしいのではないか」とマスコミを批判するトンチンカンな発言も飛び出した。
   不二家は2007年4月26日、TBS井上社長の発言についての報道を受け、TBSに抗議をした。不二家によれば、井上社長が07年4月25日の定例記者会見で、

「お詫びをしなければならないところは、放送(「朝ズバッ!」の謝罪放送)でお詫びした。ただ、賞味期限切れのチョコレートを再利用したという根幹部分は信用性が高いと考えている」「証言者に弁護士が面談し、発言にぶれが無いなど信用性が高い」

などと発言したとする一部報道を受け、井上社長宛てに発言の訂正と今後も同様の発言を控えるよう求める抗議文書を送付した。

   不二家は、07年1月22日に同番組で報じられた「賞味期限切れのチョコレートの再使用」について、明らかに事実に反するとして、TBSに訂正放送と謝罪を求めたほか、不二家が社外に設置した「信頼回復対策会議」も、放送内容は事実無根で「捏造」の疑いがあるとして、不二家に法的処置をとることも提言していた。

   しかし、チョコレートの再使用の事実性について触れられなかったものの、07年4月18日に放送された「朝ズバッ!」内の「謝罪放送」を受け、不二家は、要求に応える謝罪だったとして、この「謝罪放送」を受け入れると発表。事態は一見して収束したかのように見えた。しかし、井上社長のこの発言で再び騒動が「蒸し返された」かたちだ。
   不二家広報室はJ-CASTニュースに対し、

「TBSの謝罪を受け入れるとの発表を撤回するとまではいかないが、(TBSの)今後の対応によっては様子が変わらないとは言い切れない。こうした発言がなされれば、そのつど事実と異なるという主張をしていきたい」

と話す。現在までのところ、TBS側からの回答は不二家に寄せられていないという。

「捏造」巡る事態は「ひっくり返ったも同然」

   不二家の信頼回復対策会議の議長を務めた郷原信郎・桐蔭横浜大学コンプライアンス研究センター長も4月27日に記者団に対し、「(事態が)一からひっくり返ったも同然」と述べた。

   さらに、総務省は2007年4月27日、「厳重注意」処分をTBSに通告した。その内容は、07年2月3日放送の「人間!これでいいのだ」で、科学的論拠が十分でないのにも関わらず断定的に表現したことを過剰な演出とし、07年2月11日放送の「サンデージャポン」についても不適切な編集や事実に基づかない表現があるとし、それぞれ放送法に抵触することが認められる、としている。さらに問題になっている07年1月22日放送の「朝ズバッ!」については、

「事実に基づかない報道が行われたことは、放送法第3条の3第1項に抵触するものと認められる」

と厳しく指摘されている。これらを踏まえ、同省は

「貴社の放送が言論報道機関である放送事業者に対する国民の信頼を著しく損なったことは、誠に遺憾であり、放送の公共性と言論報道機関としての社会的責任にかんがみ、今後このようなことがないよう厳重に注意するとともに、再発防止に向けた取組について強く要請する」

と通告文書を締めくくっている。
   TBSは「厳重注意」についてどう考えているのだろうか。TBSはJ-CASTニュースに対し、

「大変申し訳ありませんが、御社の取材にはお答えできないことになっております」

とまたしても取材を拒否している。

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