身近な友人や知人が実名で語られる「学校裏サイト」が問題化するなか、警察は掲示板に中傷の書き込みをした女子中学生を児童相談所に通告した。さらに、管理者は名誉棄損ほう助の疑いで書類送検された。「起訴前提」なのだという。一体、何が問題視されたのか。
大阪府警南署は2007年4月27日、掲示板の管理人を会社役員の男(26)を書類送検した。ネット上の名誉棄損で書類送検されるのは異例だ。
「この程度では削除しなくてもいいと思った」
中傷書き込みがあった掲示板は「したらば掲示板」を利用していた(写真はイメージ)
調べによると、この男は大阪市内の私立中学校をテーマにした掲示板の管理者をしていた。06年8月下旬から、当時中学1年生だった女子中学生について「ブス」「うざい」などといった書き込みがあった。掲示板の形を取っているが、最近問題化している「学校裏サイト」の一種だ。これに気づいた学校や保護者が管理人に削除を求めたが応じてもらえず、母親が府警に相談した。その直後の10月19日、管理人は掲示板を削除したという。「削除を求めたが放置した」と言う点が問題視された。男は、「中傷に当たるとは思ったが、この程度では削除しなくてもいいと思った」などと話し、容疑を認めているという。
また、中傷の書き込みをしたのは、小学生の時に被害者と同じ塾に通っていた、別の中学校に通う女子中学生(13)と判明。府警南署はこの中学生を名誉棄損の非行事実で児童相談所に通告した。
書類送検は「起訴が前提」
府警南署はJ-CASTニュースに対し、
「名指しで中傷するなんてことは許されません」
と、書き込みをした本人と、管理人の両方に責任があるとし、
「起訴してもらうような形で、こっちも仕事しないといけませんからねぇ」
と、今回の書類送検が「起訴前提」であることを改めて明らかにした。同署が把握している限りでは、掲示板の管理をめぐって刑事責任が問われるのは、これで2例目。この動きは加速していくものと見られる。
一方、今回の書類送検をスクープした産経新聞によると、この管理人は、ライブドアの掲示板サービスを使用していた。同社の広報・宣伝グループでは、J-CASTニュースに対して、
「弊社の『したらば掲示板』が利用されていたのだと思います。基本的には、書き込みの削除依頼は、管理人さんとやり取りしていただくことになっています。ただ、警察からは、年に何回か削除依頼が来て、対応することもあります。ですが、具体的にどこのどの書き込みを削除したのか、といったレベルまでは把握しておりません」
と話している。