8人のうち7人は登校し、受験した
現在でも、申し立てに対する裁判所の判断は出ていないままだが、この9人は、どのようにして調査実施日を迎えたのだろうか。
申し立てを行った9人のうち8人が京都市在住だが、京都市教育委員会の学校指導課によると、試験はつつがなく行われたといい、このように話す。
「8人のうち7人は登校し、受験したと聞いています。有り難く思っています。また、従来から申し上げているように、個人情報の管理に万全を期す、というのは当然です」
一方で、欠席した小学生1人の保護者は、朝日新聞に対して
「行くと受けさせられるので、親権者として登校させない。不当に欠席扱いされるのは不愉快で、引き裂かれる思いだ」
と話したという。
残り1人が住む京田辺市の教育委員会でも、
「個別の事柄についてはお話しできませんが、試験を実施した各校からは『何らかのトラブルがあった』という報告は受けていません」
と話しており、やはり「問題なし」との見方だ。大騒ぎした割には結局何もなかった、というのが真相のようだ。
同調査は、学力の低下が指摘されるなか、全国の生徒の学習到達度などを把握し、今後の指導に役立てる狙いで実施された。調査内容は、国語、算数・数学の2教科と、9人が特に問題視している生活習慣や学習環境に関するものだ。私立学校の参加は約6割にとどまったものの、国公立の学校では、「すでに子どもの学力は把握している」と主張する愛知県犬山市の14校を除く全校が参加した。調査の結果は、9月をめどに公表されるという。