リカちゃんの「高校生版」がちょっとした人気になっている。金髪でフリフリ衣装の「本家」とは違い、真っ黒の髪で制服を着ている。同窓会などの記念品として使われるが、人気の秘密は、本物ソックリに再現された母校の「制服」だそうだ。
校則を意識して、茶髪、金髪は避ける
札幌東高校バージョンの「女子高生リカちゃん」
「女子高生リカちゃん」はストラップになっていて、携帯電話やカバンなどに付けられるように、リカちゃんは10センチほどの大きさ。製作・販売元のタカラトミーが、学校の卒業生や代理店などの依頼を受けて製作、限定品として販売する。
タカラトミー特注開発部によると、「リカちゃんストラップ」は市町村からの依頼で土産品として販売する「地域もの」が主流だったが、最近では、製作依頼の半分以上が「女子高生リカちゃんストラップ」。これまでに学校関係者の依頼を受けて製作した「女子高生リカちゃんストラップ」は100件前後という。
「女子高生リカちゃん」の特徴は、校則を意識してか「いつもの」茶(金)髪ではなく黒に染められている点。真っ黒の髪の毛と、茶色の眉毛やまつげがややミスマッチな感はあるが、制服を清楚に着こなし、落ち着いた雰囲気の「リカちゃん」は新鮮な感じがする。
ちなみに、本家「リカちゃん」は万年「小学5年生」の設定。金髪でフリフリの衣装を着る「いつもの」リカちゃんからすると、少々違和感があるが、彼女も成長するとこんな雰囲気になるのだろう。
J-CASTニュースがタカラトミー特注開発部に「女子高生リカちゃん」の製作についてたずねると、
「制服を忠実に再現するだけでなく、制服を少しデフォルメしてリカに似合うよう工夫しています。セーラー服のリボンの大きさやネクタイの長さなど、微妙なバランスで調整しています」
という返答だった。
発注者は、「校則」を重視して依頼をすることが多いようで、髪の毛の色や長さ、スカートプリーツ巾や本数に至るまでチェックが厳しく、同社では何度も作り直すことがある、と言っている。
制服のスカート丈の長さ、1ミリ単位で調整
07年5月1日に創立100周年を迎える北海道の公立札幌東高校「記念事業協賛会」の場合は、100周年の記念品として、インパクトの強いものを、というわけで、「女子高生リカちゃん」が浮上した。
卒業生や生徒の父母がメンバーとなる協賛会が、直接タカラトミーに連絡し、実際の制服を持ち込み、何度も打ち合わせて「女子高生リカちゃん」が完成した。
協賛会メンバーはこう明かす。
「生地の質感から色合い、ネクタイの結び方に至るまで、本当に良くできていますよ。特に大変だったのはスカートの丈の長さでしょうね」
スカートの丈が長すぎるとクラシカルな印象に、短すぎると校則違反になってしまう。結局は、「見る人がカワイイと思うような長さ」として、ひざ上になった。「やや校則違反」なんだそうだ。1ミリ単位で調整し、完成まで何度も作り直した。
07年4月19日現在、5,000個限定販売のうち半数以上の予約があるという。卒業生や現役の生徒その保護者を対象に、送料と100周年協賛金含め2,500円(税込)。
「女子高生リカちゃん」の注文先についてタカラトミー特注開発部は、
「伝統校からの注文が多いですね。例えば、親子とも同じ学校を卒業している方や、卒業生でなくても子どもの母校に愛校心があるとか、そういった方々が中心となって依頼されるようです。だからこそ制服に愛着のある人も多いのではないでしょうか」
と話している。
ちなみに、タカラトミーは99年に、一般向け販売の「女子高生リカちゃんストラップ」として「ガングロリカちゃん」を販売した。ミニスカートにスーパールーズソックス、顔はもちろん黒々とした「ガングロメイク」だ。