「授業時間削減すれば学力が付く、は間違い」
「教育改革のゆくえ 格差社会か共生社会か」などの著書がある国際基督教大学の藤田英典教授は、J-CASTニュースの取材に応じ、
「ゆとり教育の見直しは必要だ」
と力説する。
新学習指導要領が導入され、週5日制実施と、「総合的学習の時間」を入れたのが、小中学校の場合は2002年4月。高校はその5年後だ。つまり、今回のテストを受けたのは「ゆとり教育の影響が少ない生徒」。そして、「この10年間、教育現場は大きく変化した。ゆとり教育に危機感を持った先生たちが、より熱心に学習指導するようになっている」
とし、「ゆとり教育」そのものが影響したかどうかは、丹念にデータを分析することが必要なのだと話す。
「授業時間を削減すれば学力が付く、というのは間違い。特に低学力の子供、家庭環境に問題のある子供は置き去りにされ、学力の格差が広がっていくことになりかねない」
藤田教授はあくまでも「改革」が必要と主張している。
「ゆとり教育」に疑問を持っている人は多くいて、06年11月に実施した「ヤフーアンケート」では、「あなたは『ゆとり教育』をどう評価しますか?」の問いに、87%(13,749票)の人が「悪い」と答えている。教育再生会議も授業時間10%増などの改革案を提示している。