HOYAは「それほど時間をかけるつもりはない」
一方、HOYAは、同じ10日に開いた臨時取締役会で「TOBを含めた形で統合に向けた協議を継続する」との方針を確認した。お家騒動があったペンタックスに配慮する形でトーンを弱め、現状ではTOBによる子会社化を強行する意図がないことをにじませた。敵対的TOBにいきなり踏み切るより、ペンタックス新経営陣との間でいったんは資本・業務提携などで妥協点を探った方が得策との判断があるようだ。当面は緩やかな提携から始め、将来的に統合に進める選択肢もある。HOYAはペンタックス側に「広い意味での経営統合」の真意の説明を求めるとともに、できるだけ早くトップ会談などで具体的な協議に入りたい意向だ。
とはいえ、合併を強く推し進めてきたHOYAと、合併断念を決議したペンタックスの間の認識の隔たりは大きい。HOYAは「協議にはそれほど時間をかけるつもりはない」(首脳)と、「時間稼ぎ」には釘を刺しており、ペンタックスの対応いかんで、敵対的TOBに踏み切る可能性も消えていない。