大阪市職員「逆」学歴詐称 「免職」でなく1ヶ月停職の理由

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   自治体職員が採用された時の学歴詐称が問題になるなか、大阪市でも大量の学歴詐称が明らかになった。一説によると、自分の学歴を低く申告した数は400人以上。だが、それに対する処分は「停職1ヶ月」。これまで他の自治体で下されてきた処分は「免職」だったはず。この違いは、どのようにして出来たのだろうか。

大阪市では400人以上が「自首」?

大阪市では、現在も大卒者が「高卒・短大卒」の試験を受けることはできない
大阪市では、現在も大卒者が「高卒・短大卒」の試験を受けることはできない

   本当は短大や大学を出ているのに、自分の学歴を低く申告、「中卒または高卒限定」の採用枠で採用される「『逆』学歴詐称」が問題化したのは2004年。この時は、青森市営バスの男性運転士(当時32)が短大卒なのに高卒と偽っていたことがばれ、懲戒免職となった。06年には、神戸市と尼崎市でも同様の問題が発覚。これまでに神戸市では36人、尼崎市では2人が諭旨免職になっている。

   一見厳しく見える措置だが、尼崎市は07年2月には、J-CASTニュースに対して

「(学歴詐称で採用された人のせいで)本来なら受かっていたはずの人が不採用になっているため、免職という形でなければ示しがつかない」

などと説明していた。

   そんな中、大阪市は07年3月9日、全庁的に学歴調査を始めた、と発表した。内容は「3月29日までに学歴詐称を自主申告した場合は停職1ヶ月とするが、それ以降に発覚した場合は『即、懲戒免職』」というもの。読売新聞が4月14日に報じたところによると、すでに400人以上が「自首」し、あまり数の多さに、申告期限を4月29日まで延長するほどだった(大阪市は「現段階の申告数は公表できる段階ではない」としている)。

民間の経歴詐称は、懲戒解雇にはならない

   大阪市人事担当課長の田中義浩さんは、「申告すれば処分を軽くする」という異例の対応をすることになった経緯についてJ-CASTニュースに

「受験資格を満たしていないことが判明した場合、その職員が『職員たり得ない』として免職にする、というのも、一つの考え方です。ですが、すでに何年間もきちんと働いている人の安定した生活を奪うのは厳しいのではないか、という考え方もあります。弁護士の先生とも相談したのですが、民間で経歴詐称が起こった場合にしても『会社の秩序を著しく乱した』といったケースでない限り、懲戒解雇にはならないようなんです」

と話し、「民間の基準と比べると、『学歴詐称で免職』は厳しすぎるのではないか」との見方を示した。
   一方の、学歴詐称職員に「諭旨免職」の処分を下した尼崎市の人事課に改めて聞いてみたところ、

「ウチの例などがあったので、大阪市さんも調査に乗り出した、と聞いています。そもそも受験資格がないのだから、免職はやむを得ません」

と、処分については従来の見解を繰り返していた。

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