TBS系報道番組「ニュース23」で、キャスターの筑紫哲也さんの発言が、ネット上で激しい失笑を買っている。「震災が起きた際に、自衛隊が出動すると、逆に事前の防災対策がおろそかになる」という内容だ。石原都知事への批判として出てきたものだが、「およそ報道機関の人間とは思えない位に非論理的な発言」などというカキコミが並んでいる。
「警官が出動するから、防犯意識がおろそかになる」と同じ
筑紫さんの発言が失笑を買っている
2007年4月9日放送の「ニュース23」内のテレビコラム「多事争論」での発言だ。石原都知事の再選が決まり、07年4月8日の記者会見で石原知事が防災策に触れ、
「神戸の地震の時は自衛隊の派遣を要請する判断が遅かったために、2,000人余計に亡くなったわけですよ」との発言を受けて筑紫キャスターはこう語った。
「石原さんらしい、短絡した考え方ではないかと私は思います。現場であれだけの死者が出たのはなぜなのかと言えば、建物の中で非常に脆弱なものがあって圧死された方が多い。それから、簡単に火事になるような建物が多かった。そのことが多くの死者を出しました。実はこれは過去の話ではなくて、東京は必ず震災が来ると言われております。そういう中で、もし自衛隊の出動が人命を救うんだという風に考えている知事がいるとすれば、普段のそうではない、建物を燃えないようにする、壊れないようにするという方の対策には力点が入らなくなるという疑いが出てきます」
石原知事の発言そのものにも批判が出たが、筑紫キャスター発言にはネット上の掲示板やブログが騒然となった。カキコミの殆どは「呆れた」というもの。発言をなぞって、こんな例えが出た。
「医者がいるから病気の予防に力点が入らなくなる」
「警官が出動するから、防犯意識がおろそかになる」
「御巣鷹山に墜落した日航機の事故とかも、事前の点検による予防のみが重要で、自衛隊による迅速な人命救助は重要じゃないことになるわな」