「会社ごと取り消しにできないのか」といった疑問
こうした中で、「事業所でなく会社ごと取り消しにできないのか」といった疑問が、2ちゃんねるなどネット上で出ている。「連座制」は事業の種類ごとに適用するので「会社ごと」ではないが、例えば「訪問介護事業」など該当事業に限れば、ほぼ「会社ごと取り消し」のイメージになる処分は可能だ。ただ、今回は指定を取り消す対象が廃業でなくなってしまったので取り消しようがないという訳だ。
「(監査結果の)認定時点にさかのぼって取り消し処分にすりゃあいいだろ」。こんな意見もある。ただ、取り消し処分の方針が固まっていたとしても、実際は、関係会社からの反論の聞き取りなどの手続きが残されており、「さかのぼ」って処分はできないそうだ。それでも都も、もどかしさは感じているようで、簡単にすぐに廃業できなくなるよう、近く国に対し法改正を求める方針という。
肝心のコムスンはどう考えているのか。同社の親会社「グッドウィル・グループ」は、グループのホームページの広報情報欄に4月10日、「株式会社コムスンに対する改善勧告について」とする資料を公開した。「勧告を受けました事につきまして(略)心よりお詫び申し上げます」と冒頭で謝罪している。ただ、それに続く文章には都に「反論」しているようにも読める記述がある。
「申請から開始までに時間を要するので申請と実態に齟齬が生じることもあり遺憾」
都は「そんな単純な過失ではない、という調査をした上での判断だ」と反論する。広報資料の「ビジネスモデル再構築のため、事業所の統廃合を進めている。今回指摘のあった事業所も統廃合予定に入っていた」についても「3事業所廃止の直前に別の事業所を廃止しているが、その時に利用者を問題の3事業所の内の1事業所へ振り分けている。廃止が前から決まっていたとは考えにくく、説明は不自然だ」とこれも納得していない様子だ。
J-CASTニュースでは、同グループ広報IR部に聞いてみた。
「マスコミ各社の質問にはお答えできません。発表した資料以上のことはないので」
東京都庁には4月に入って、コムスンに対する批判、苦情が殺到しているそうだ。