TBS系のバラエティー番組「サンデージャポン」で放送された街頭インタビューに同一人物が何回も出演していた問題で、TBS側は2007年4月6日になって、報道各社に対して、番組ディレクターがこの男性に出演を依頼していたことを認めた。これを受けて各メディアはこの問題を一斉に報じたが、中にはJ-CASTニュース同様「今後一切取材拒否」の憂き目に遭う週刊誌もあった。
4月2日、J-CASTニュースが「TBSの街頭インタビュー いつも同一人物出演の怪」という記事で、ネット上で「街頭インタビューに同じ人物が何度も出演している。これは『やらせ』ではないか」という声が広がっていることを報じた。4月6日になって、TBSが同一人物が4回にわたって出演していたことを報道各社に対して認めたが、「『やらせ』や『仕込み』はなかった」「バラエティー番組の”アクセント”」などと釈明した。
「サンジャポ問題」に限らず「今後一切応じない」
各メディアが「サンジャポ疑惑」を報じている
これを受けて、同日NHKが報じたのを皮切りに、翌4月7日には大手紙朝刊が続き、4月9日発売の「週刊現代」と、4月10日発売の「週刊朝日」「フラッシュ」も後を追った。
報道を確認する限り、この「疑惑」を最も早く報じたと思われるのはJ-CASTニュース。4月2日午後、同一人物が複数回インタビューに登場することをTBS広報部に指摘。「同一人物(と思われる人)が街頭インタビューに複数回登場するのは、『演出』あるいは『やらせ』なのですか。それとも、『偶然』なのでしょうか」といった質問項目を記したファクスを送付した。直後に確認の電話をしたところ、返ってきたのはこんな答えだった。
「なんか送られてきましたけど、そちらには対応しないことに決めましたので、一切お答えしません」
そして、実質「2着」だったと思われるのが「週刊現代」だ。同誌編集部によると、同誌がこの問題について取材したのは4月3日。だが、同誌4月21日号を見てみると、取材結果はこう書かれている。
「TBSに問い合わせると、一切取材拒否されてしまった」
同誌編集部に聞いてみると、「一切取材拒否」の意味は、「『サンジャポ問題』に限って取材拒否」なのではなく、「週刊現代の取材に、TBSは今後一切応じない」ということなのだという。J-CASTニュースと同じ境遇、という訳だ。
「本誌糾弾に大あわて発表」??
理由については、同編集部では
「推測は色々出来るんですけど、仮定の話なので、ちょっとコメントできないです」
と話している。「(取材拒否の理由について)心当たりはあるが何とも言えない」というのも、J-CASTニュースと似ている。
報道したメディアの中では、特に「フラッシュ」が、精力的だった。グラビアページの後のトップ項目で3ページを使い、「サンジャポ」の司会を務める爆笑問題が所属する事務所のコメントも掲載されている。見出しには「本誌糾弾に大あわて発表」とある。これは、4月5日午後にフラッシュ編集部が「やらせ疑惑」についてTBS広報部に問い合わせたところ、4月6日13時ごろに回答があり、同20時ごろに報道各社宛の発表文が流れたことを根拠にしているようなのだ。「ウチが1番乗り」とでも言いたげな記事だが、前述のJ-CASTニュースと週刊現代の取材の経緯からすると、最速でもフラッシュは「3着」。若干勇み足だったようだ。
ちなみにJ-CASTニュースでは、この問題が各紙に報じられた後の4月9日にもTBS広報部に問い合わせをしているが、
「前にも言いましたが、一切お答えしません」
と、相変わらずの答えだった。