タクシー初乗り料金 東京720~730円、大阪据え置き?

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   全国各地のタクシー会社が運賃引き上げのタイミングを図っている。国土交通省は2007年4月6日、長野、大分両県の地区の値上げ申請を認可した。運賃値上げは10年ぶりだ。今後、東京都などでも値上げが続きそうだ。しかし、大阪などの地区では値上げ申請に慎重な会社も少なくない。

東京23区は初夏にも認可

タクシー利用者、値上げ後は果たして?
タクシー利用者、値上げ後は果たして?

   東京23区中心の地区では、申請率は約92%。ほとんどの会社が値上げ賛成、という訳だ。申請時期が、今回認可が下りた長野・大分とほぼ同じ06年夏と比較的早かったため、初夏にも認可が下りそうだ。中型初乗り(2キロ)660円を750~810円にするよう申請している。認可が下りた長野、大分を参考にすると、16%から20%の値上げを申請し、認可は10%前後で降りている。1990年代の認可実績を見ても10%前後というのは落としどころとして妥当な数字だ。初乗り720~730円といったところだろうか。

   「景気がよくなったから値上げしても大丈夫、だなんて思ってないですよ」と話すのは、東京乗用旅客自動車協会関係者。東京都内には、約5万4,000台が登録されている。利用者は4年前ほどから増える傾向にあるのは間違いない、とした上で「本物の景気回復という見方はまだできない」。値上げ申請の理由として、「タクシー運転手の年収は、全産業平均より270万円も少ないという統計もある」と労働条件改善を挙げる。
   一方の大阪は東京とはかなり事情が違う。

大阪では「東京はええでんな」

   大阪タクシー協会(大阪市)によると、2005年秋にも一部の会社が値上げ申請をし、車両台数の70%超を目指したが、3カ月の有効期限内に55%前後の協力しか得られず、国土交通省の審査までたどりつかなかった過去がある。2万台を超えるタクシーが登録されており、最近数年で約3,000台は増えた。にもかかわらず、今回の申請を見送っているのは、2005年の二の舞になるのでは、と心配しているためだ。現在、中型初乗り(2キロ)660円だ。

   「東京は値上げのマイナスが少なそうで、ええでんな」。こうぼやくのは、タクシー激戦区の一つ大阪府の業界関係者。ぼやきの原因は、「低料金で勝負する会社が申請に協力しない」からだそうだ。

   「景気がよさそうな東京と違って、値上げによる客足の遠のきを心配する会社が多い」と背景を解説する。一方で「今のままやと運転手の生活を保障できん」と悲鳴を上げる社も少なくないという。燃料代高騰の影響も大だ。

   今回申請中の地区の中での初乗り料金が最安値層の佐賀県は約74%が申請した。関係者は「景気がよくなるのかは分からないが、もう経営も運転手の生活も限界に近い」と見切り発車の申請であることを吐露した。

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