動画の上にコメントがつけられるネットサービス「ニコニコ動画(γ)」が急成長している。ニワンゴが2007年3月6日にγ版をリリースしてから1ヶ月が経過したが、動画の再生回数は累計で1億回を突破。ユーザー数は50万人を超える勢いで、短期間のうちに大きなインパクトをもつ「新たなメディア」になりつつある。
1日あたり1500万ページビューを突破
ニコニコ動画では簡単な操作で動画上にカラフルなコメントをつけることができる
ニコニコ動画は07年1月15日に「β」版のサービスが始まった。2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が取締役をつとめるニワンゴの運営ということもあって話題を呼び、一日あたり最大3000万ページビューを超えるアクセスを集めた。
しかし、サーバがDDos攻撃による妨害にさらされたり、ユーチューブ(YouTube)からアクセス規制を受けたりしたため、いったんサービスを停止。3月6日に利用者数を10万人に限定した「γ」版として再開した。また、ユーチューブに依存しないで運営できるように、ニワンゴ独自の動画投稿サイト「スマイルビデオ(SMILEVIDEO)」もスタートさせた。
その後、ニコニコ動画(γ)はサーバの増強にともない登録者の枠を拡大。約1ヶ月で登録ユーザーの数は10万人から48万人に増えた。1日あたりのページビューも約1500万に達し、オープンサービスだったβ版の規模を4月中に超えることが確実という。
動画の再生回数も増加し、累計で1億回を超えた。そのうちの8割は、ニワンゴが自社運営しているスマイルビデオに投稿されたものだ。依然としてユーチューブのアクセス規制は続いているが、それがかえって「国産」の動画投稿サイトを短期間で育てることにつながったといえる。
サイバーエージェントと組んで広告ビジネスも展開
このようなユーザー数やページビューの拡大を受け、3月29日からは一部の動画について広告掲載も始めた。サイバーエージェントの動画共有サイト「アメーバビジョン(AmebaVision)」からニコニコ動画に投稿された動画の再生ページに、同社運営のコンテンツ連動・行動ターゲティング型広告を表示するようにした。
ニワンゴは「今後はスマイルビデオも含めた全体として、広告ビジネスを推進していきたい」と話している。